冒頭、監督のクリストファー・ノーランの直筆で、「この作品のラストは誰にも言わないで下さい」と字幕が出るのですが…
言ってはいけない「ラスト」ってどの「ラスト」のこと?あのことかしら、このことかしら、それともこのこと?などと、思いを巡らせてしまうほど、トリックが仕掛けられた作品でした。
キャストも舞台装置もゴージャスで、惹きつけられる作品です。やはり、クリスチャン・ベールとヒュー・ジャックマンの演技対決は見もの。スカーレット・ヨハンソンも、根っからの愛人体質を如何なく発揮していて楽しめました。
奇術には、<確認><展開>とあって、でもそれだけでは凡庸なもの。さらにあっと言わせる高みがあって、初めて<プレステージ>へと昇華できる。観客や周囲だけでなく、人生そのものをも欺いていく彼らマジシャンは、真のプロフェッショナルといえるでしょう。
誰でも一度はトリックの舞台裏って見てみたいですよね。でも、この作品では、知らない方が良かったと思わせることもあるのだな、と。それは種明かしという意味だけでなく、物事にとり付かれた結果、得たものについても同様です。
全てを賭けて、命までも賭して、<プレステージ>へと上り詰めようとする、2人の対決に、ただただ目を奪われたのでした。
それにしても、あの人がデビット・ボウイだとは判らなかったな…。
★★★★★
(満点★5つ)
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(2007年洋画)