悪くなかったです。でも、何というか、古臭かった。
「古典的」という意味だけではなく、古臭かったです。一昔前に上映した作品を観ているような気になりました。
スリや詐欺を生業としているカップル(アンディ・ラウとレネ・リウ)が、レネの妊娠をきっかけに、功徳を積んでせめて自分達の子供だけは悪人にすまい、と決意し、「この世に泥棒などいるはずがない」と純真無垢に信じている少年の故郷行きの護衛をする、という展開です。広大なチベットの風景、宗教色に溢れるチベットの寺院の描写、大陸を横断する鉄道の勇壮さ、など、どれも大画面で味わうに相応しい映像でしたが、テーマも展開も、全てにおいてノスタルジック。
別の詐欺団の一味との駆け引き、スリのテクニックの応酬などは、さすが香港映画、スローも駆使して見ごたえがありましたが、繰り返しになりますが、古臭い。
又、いつものように、アンディ・ラウには色気がない。一匹狼のプロフェッショナルという設定にも何だか強烈なものが感じられない。何故なんだろう?
単に私のタイプじゃないから?!いえ、アンディ・ラウは好きですよ。出演作は近年日本公開のものは全作制覇していると言っても過言ではない。生アンディも2回見ているし。
でも、好きだけど、タイプじゃない。だからこの作品にしっくり来ないのかな?例えば、同じ役をトニー・レオンがやったなら、その色気にくらくらすると思うし、イーキン・チェンがやったら、スリの酷薄さと冷静さがリアルに感じられたでしょう。
…ま、いずれにせよ、大きなお世話ですが。
面白かったけど、諸手を挙げてお勧め!という感じではなかったのは確かです。
★★★(満点★5つ)
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