デリケートな話なのだと思うが、あまり響かなかった。世の中それで苦しんでいる人はいることは承知だが、いやだからこそ、内部的な葛藤を「幻想」というようなものに置き換えて表現していることについお綺麗さを感じてしまう。病気と向き合うことと乗り越えることは違う。乗り越えることは場合によっては決してできない。
何故響かなかったのが薄っすらと判ってくる。かなり深刻な病状だと思うのに、何か現実と幻覚との狭間みたいに畳み掛けて「お話し」要素が強くなっているから。「マジ」であればこれは「お話し」にしてはいけないのだよ。
客観的に見れば主人公のレイ・ロージック(テレンス・ラウ)のしていることはかなり傍迷惑なことである。映画だから、と言ってしまえばそれまでだし、心の内はこういう世界観が形成されているのだ、と言われればきっとそうなのだろう。だけどそれらが妙にお綺麗過ぎたから、私には響かなかった。
ここまでで、私がどんな内容の何について書いているのか、こちらの方がむしろよく判らないかと思うので、映画.comより抜粋した作品内容を紹介する。
小学校教師のレイ・ロージックは、統合失調症を患いながらも、どうにか日常生活を送っていた。彼は偶然出会った女性ヤンヤンに一目惚れし、仲を深めていくが、自身の病について打ち明けることができない。その間に症状は悪化していき、やがてヤンヤンそのものがジーロックの幻覚だったことが判明。ジーロックは治療のためのセラピーの場で、ヤンヤンに瓜二つの女性イップ・ラムと出会う…
思い込んで創り上げた女性像が、現実のものとなったと思い突っ走るレイ。イップ・ラム(セシリア・チョイ)(ヤンヤンと二役)(もっと下世話な話をするとテレンス・ラウとセシリア・チョイは本作の共演をきっかけに2025年に結婚している)が自分の研究対象として彼の事を捉え、彼を利用したのか、いや本当に愛してしまったのか、は確たる結論は出ない。でもやっぱり色々と無責任だし勝手だと思う。そう、これは両者共に。嘆息の中での終映になる訳だが、割り切れない思いが湧いてくる。
つまり私には向かなかったんだろうなぁ。
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