思っていたよりずっと面白かったし、思っていたよりずっと切なかったし、想定外に前向きな気持ちになれた。
そしてこの年になってもまだ強いメッセージを受け止めることができた。
売り出し中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」で活動を続ける5人のメンバーの中で、山岡真衣(齊藤京子)はセンターを張り続けている。ダンスも歌ももっと、もっと。生真面目な山岡真衣は生活の全てをハッピー☆ファンファーレに捧げているが、それは他のメンバーも同じことである。配信がバズったことによってメンバーの菜々香(仲村悠菜)の人気が急上昇し、グループ内でのポジションも高くなり山岡真衣に代わってセンターに入るものだと思われた。しかし、裏アカでの男性ユーチューバーとの動画が拡散したことによって、所属プロダクションからきつく叱責を受ける。契約上「恋愛禁止」のルールがあるためだ。菜々香は謝罪し、交際をやめ、彼のアカウントを削除してお別れをする。そして寮ではなく親元から仕事に通うようになる。
だがこのことによって、あるファンが暴走した。つまり、菜々香に裏切られたと思ったのだ。彼は握手会会場にやってきて菜々香を襲おうとする。大変な事件となってしまったのだ(この時の事件に対する菜々香の言葉は印象的だった「襲ったのはファンだけど助けてくれたのもファン」)。
こうした展開の中、山岡真衣は中学校の同級生間山敬(倉悠貴)と偶然再会する。彼は路上を中心にパフォーマンス活動をする大道芸人であった。彼のパフォーマンスは山岡真衣の心を惹きつけた。そしてほどなく2人は恋に落ちるのである。
切なかったのは、このどうしようもなく恋に落ちていく一連の流れ。とても丁寧に描かれていたし、とても心に刺さる。どうすることも、抗うこともできない恋の始まりとうねりが切ない。見ている方は大人だから判ってしまうのだが、これから待ち受けることに対しても、逡巡しながらものめり込んでしまう若者特有の恋の切なさ。ここがすごく良かったので、後々の展開もとても共感性が高い。「恋愛がどういうものかも判らなかった」のに「ホンモノ」に巡り会うとおのずとそれが判る。恋愛が続いていく内に訪れる行き違いや齟齬も、この話が特殊なことを前提としてはいても、どの恋愛にも訪れることであるからそこがまた切なく多くの恋愛とシンクロする。また、恋愛裁判の渦中にいる時の同じアイドルとして活動しているグループのメンバーとのやり取りも切ない。それが山岡真衣にとって一層の孤独を感じさせるものだとしても。
最後、結審がどうなったかは判らない。この作り方も私は好きだ。判っているのは山岡真衣が間山と別れたこと、アイドルの世界とは決別して別の仕事を探そうとしていること、滅多にできない芸能界での友人と「だるま朝日」を見に行ったこと。そして次のことだ。
山岡真衣は大人の道を歩き始めた。自分の足で。
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