
鑑賞した時(それは2月)コレは今年のNo.1だと思っていた。張り切ってパンフレットも買ってレビューに備えたのだが後手になってしまい、気がつくと年末がもう目前である。ちなみにこのパンフレットは凄くいい。あらすじや俳優プロフィール以外にも、作品の設定当時の時代背景や隠れたオマージュなどにも触れていて「内容知りたければパンフレット読んでください」とレビューを放棄したい位だ。
だがそうは言っても…そもそも弊ブログではあまり内容に事細かに触れたレビューは存在せず、むしろネタバレを奨励しない方向なので、単純に感想となってしまう弱点はあるにせよ…少しばかりどういうオハナシなのかに触れたい。

場所は香港。時は香港バブル真っ最中の1970年代後半から1980年代にかけて。東南アジアでのビジネスに失敗し香港に舞い戻ってきたチン・ヤッイン(トニー・レオン)は、抜け目のない商才を悪質な商取引によって確立させ、ビジネスの世界での足場を固める。最初は害虫駆除会社の立ち上げ。彼の会社嘉文世紀は大きな企業となっていく。香港バブルのさなかで巨大不動産の買い付けに奔走し、やがて株式市場のブームに乗じて違法取引を次々に仕掛け、更に嘉文世紀は大きくなり、チンは時代の寵児となる。彼が手に触れるものは全て金(ゴールド)に変わる。ゴールドフィンガーを持つ男である。
このチンの行動に、ICACの捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は疑念を抱き捜査を開始する。ラウの捜査はチンを追い詰めるところまでいくものの、常に何者かに捜査の手を阻まれ、都度チンを完全に落とすところまでには至らない。緻密で執念深いラウの捜査は続くが、捜査対象の事件の関係者が次々に消えたり不審死したり、果てはラウ自身の家族にも危害が及ぼされるようになるなど、艱難辛苦が続いていく。

本作の背景には、実際に香港での一大事件として名を馳せている「キャリアン事件」がある。これは、キャリアン・グループ(佳寧集団)という、マレーシア出身のジョージ・タンという人物によって引き起こされた巨額の金融詐欺と汚職が発生した犯罪事件である。本件は17年にもわたってICACが捜査を続け、その間事件に関わった弁護士や判事らが次々と不可解な死を遂げ、挙句ジョージ・タン自身は懲役3年という短い刑であったなど、本作の下敷きとなっていることは間違いない。香港市民の間では深く心に刻まれた事件なのである。

だが、その場で渦中に居なかった日本人にとっては「実話に基づいた話」…という雰囲気ではない。トニー・レオンとアンディ・ラウの夢の競演!時代背景のバブリーさだけではなく、この2人が画面に放つ麗しさといったらどうだろう。魅入られてしまう。むしろこんなことがリアルにあったのだと思うと、いけないことだけれど少し感動する。トニー・レオンとアンディ・ラウの競演は「インファナル・アフェア」以来20年ぶりだというが、悪役がトニー・レオンであり正義の執行者がアンディ・ラウというところは「インファナル・アフェア」の役どころと逆であるというだけでなく、実際に鑑賞した感じでも最初は「悪者といいもん逆じゃないの?」と思ったりしたが、2人の確実な演技によってその思いは払拭された。
タイトルの「ゴールドフィンガー」は漢字にすると「金手指」。彼(トニー・レオン)が手に触れる物すべてが金になる。その時代の狂乱と栄枯盛衰を香港映画で観られるのは至福である。

監督と脚本は「インファナル・アフェア」の脚本を手掛けたフェリックス・チョン。
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