
脇を固める役者陣が凄い。その演技の卓越さは半端ではない。こう書くと主演がイマイチだったようにとられるといけないが、主演の坂口健太郎もとても良かった。だが、その彼を取り巻く役者陣(特に男優たち)がそれ以上に素晴らしかった。ある種のオーバーアクションな感じ…劇画調に演じていると言えるかもしれないが、それがぴったりとハマっていたのだ。
私は本作で1990年代からビッグコミック系で連載を開始した「月下の棋士」を思い出した。いわゆる将棋漫画なのであるが、若き天才棋士と対局で彼を取り巻く様々な棋士…棋士のるつぼと言っていい男たち。これらの描写がいちいち劇画調で(劇画なんだから当たり前なんだけど)、偽悪的ですらあったのが結構印象深かったのだ。正に正に、この「盤上の向日葵」での登場人物の男たちも、いちいち劇画調であり、偽悪的であり、それがこの昭和が終わっていく時代背景とよくマッチしていたのである。
特に東明重慶役の渡辺謙…上手いなぁ、、、いくら「勝ち将棋鬼の如し」だとしても、人としてクズであることは間違いないそのクズっぷりの名演はもとより、クライマックスシーンでの眼下の街を自身の思い出と重ね合わせる長台詞はあまりにも情感に訴えかけてくる。彼の得手の戦法が「鬼殺し」であるところも下衆な趣を出していて味わい深い。
そして上条桂介(坂口健太郎)の父親役である音尾琢真。素晴らしい。結局上条桂介の周りにはクズが集いがちだったのであるが、その根幹を成したのがこの父親である。それにしても凄かった。その振る舞いに同情の余地はないとはいえ…如何なる(疑問形ではなく「なんという!」という意味で使用)人生だったのか。
更には小日向文世、柄本明、渡辺いっけい…いずれも素晴らしかった。


だが…こういうことを書くと昨今ではあまりよろしくないとは思うのだけれど…将棋の世界って男の世界なのだ、と感じた。男に似合う世界。狂気に追い詰められるまで勝負ごとに集中できるその肝はやはり男のものなのだと思う。本作は白骨化した他殺体が出てきたことに端を発した殺人事件の謎解きものではあるけれど、そしてその動機の背景には壮絶な人生模様がありそれがドラマ性を高めているけれど、この男たちの生き様が将棋の盤上で描かれていることこそが重要でありインパクトを与えるものだと感じられた。

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