1年の最後に観る作品は、思い切りくだらないものにしようと思っていた。おあつらえ向きにこの「聖☆おにいさん」の公開だ。ある意味満を持して鑑賞に向かう。
予想通り、いやもしかしたら予想以上にくだらなかった。何も考えなくていいという点ではスペシャルな作品だったと思う。原作は大好きだし全巻持っているけど(でも大した量ではない)、原作のウィットに富んだ見せ方をことごとく破壊していたのは、そう望んでいたのでウェルカムである。松山ケンイチと染谷将太も大変マッチしたキャスティングだったと思う。天界の人(?)たちのキャスティングもそこそこ。
だが。あの中弛みはどうしてもいただけない。あの中弛み、本当に必要?だったかさえも判らないし、内輪ウケだとしてもあまりにもお粗末。まさかと思うがウケを狙っていたのであれば、ターゲットは一体誰なのか?という話だ。あの中弛みさえ無ければ、そこそこ、あーくだらなかったねー、で終わったものを。
もちろん、本作は全てにおいて目くじらを立てる類のものではない。だから、年末最後に「お疲れさん!」という雰囲気で劇場に行くのならこれも良いのかも。でもさ、年末って(私も含めて)普通の人は忙しいものではないの?その貴重な時間にあの中弛みはいただけないなぁ。「金返せ」とまでは思わなかったけれど、あの中弛みの分の時間を返して欲しいとは少し思った。