ここ20年くらい、家族以外の誰かと一緒に映画館に映画を観に行ったことはほとんどない。仕事以外で誰か他人と何かをするのは、飲むか食べるか野球を観に行くか、に限られていた。…飲むか野球か…って文字にするととてつもなくやさぐれた感じだけれど、こんな私にもキラキラとした時代があった。正にそんな時代のひとつの代表的な作品が本作である。
4Kレストア版が上映されると知って、大学時代の友人と一緒に観に行くことにした。友人といっても彼女は私の上級生で、学生時代は仲は良かったけれどそれほど密な関係ではなかった。だが、互いに就職し、伴侶を得て子育てをしていくに従って、OB会などのきっかけもあって頻繁に連絡を取り合うようになり、今ではしょっちゅう会う間柄となっている。人との縁って不思議なものだね。女性に限ったことではないかもしれないが、やはり特に女性の場合には、誰しもライフステージの変化に従って交友関係が変わる経験をしてきたのではないか。それは単純に環境の変遷というだけではなくて、様々な経験を通して考え方や感じ方が変わってくることも原因なのだと思う。
だから、本作を鑑賞するにあたってそんなことも頭の隅に入れながら、あの頃何故あんなにもこの「バグダッド・カフェ」が好きだったのか、それを確かめたい気持ちを胸に抱きながら鑑賞に赴いた。そして一緒に行った彼女と私とで共通していたのは、当時観た「バグダッド・カフェ」すごく良かったんだけど、内容は全然覚えていない、ただ良かった、好きだ、という気持ちだけ強烈に残っている、というものだった(あと音楽…「コーリング・ユー」は言わずもがな強烈に耳に残っている)。
なんであんなに好きだったんだろう。初めての日本公開は1989年。キラキラしていたけど苦しみも多い多感期だった。もしかしたら今観たら、もう感性が荒んでしまっていて好きの理由が判らずに愕然とするかもしれない。そのちょっとした恐怖と、一方では今でもとても良いと思えるかもしれないとの期待を込める。
鑑賞を終えて、彼女と私は言葉も出ず、ただ顔を見合わせた。欧米人だったらきっとハグをし合っていたと思う。…良かった。すごく良かった。なんであんなに好きだったのかが2時間弱の時間の中で全て理解できた。この「バグダッド・カフェ」があの時も好きだったし、今もたまらなく愛おしいのだ。
「なんであんなに好きだったのか」は、瞬時に判ったのだが、その深い部分は、秘密にしたい。けれど、感性が豊かな時期に出会って本当に良かった作品である。そして今もまだその感性が自分の内に埋み火となっているのを知り得た事が嬉しく思える冬の夕暮れだった。
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