映画の話ではありません。
2024年。NPB。横浜DeNAベイスターズは日本シリーズでソフトバンクホークスを制し、日本一に輝いた。
その日は日曜日。私は上京してきた長男と、厳かにTV観戦をしていた。ピザをつまみコーラを飲みながら。息子の前でベロベロになる醜態を晒す訳にはいかないからビールではなくコーラにしたのである。話せば長いが、実は日本シリーズ第7戦のチケットを持っていて、最終戦までもつれ込んだらそれに一緒に行くために、彼は北海道から上京してきたのである。だが、第6戦が雨天延期になったため、日曜日に第6戦がずれ込み、そしてその第6戦のチケットはどうやっても入手できなかったので、今日はまったりとTV観戦しよう、と私と息子の意見は一致した。
まったりと…。いやもちろん、興奮の坩堝ではあったけれど、それは静かな興奮というか。
日本シリーズ第2戦は友人と現地
時々せわしなく立ち上がり、洗濯物を畳む母を見て息子は何を思っただろう。落ち着きがないと思っていたに違いない。それは、ベイスターズの試合をTV観戦する時に洗濯物を畳んでいると、ピンチの時にはそれを凌ぎ、チャンスの時には一気呵成となるジンクスをシーズンずっと持っていた私の願掛け作業であることを彼は知る由もない。
実に26年ぶりの日本一である!26年前は、私は目の前に居る長男を出産してすぐの時だったのでベイスターズの優勝など全く記憶に無い。ぶっちゃけそれどころではなかったのだ。それが今、あの時壊れ物のように扱っていた息子と一緒に日本一の瞬間を味わっている。…こう書くと我ながらしみじみとくる。彼にとってはベイスターズの初めての日本一だし、私にとってもある意味そうなのだ。
さぞかし嬉しかったことでしょう…と、これを読んだ方は思ってくださることかと(半ば強制)。そりゃあ嬉しい!嬉しくてたまらない!だけどその高揚感に勝るとも劣らず、ほっとしたという気持ちが強いのである。
ほっとしたというか…ああ、これでもう私は自由なのだな、というか。私たちベイスターズファンは、NPBでその他の贔屓の球団がある人たちに比べても最も多くの試合数を応援してきたのだ。シーズン143試合+CS1stステージ2試合+CS finalステージ6試合+日本シリーズ6試合。もうへとへとなのである。ホントにもう、何もできない、やりたくない位の疲労感。最後のアウトがコールされ、三浦大輔監督の胴上げが行われ、長男と色々会話をしたその後に、これでもう明日から何にも縛られずに…昨日勝った時に履いてたから今日もこの靴を履いていこうとか、この口紅にして負けたから違うメイクをして行こうとか、この靴下を履いて、いやいやこのシャツを着て…とか、ナイターの時間に合わせて洗濯物を畳む段取りをつけるとか…そういうこと全てから解放されるのである。本当に心の底からほっとしたのだ。自由とか何とか大袈裟に言うけどそんなの自分で付けた縛りですよね?何の意味が?などとは言いっこなしだ。
ともかく私はもう自由なのである。
けれど…私はまだ大いなる憂いを抱えている。贔屓の球団について。実はシーズン中も、このことさえクリアできれば順位が何位だろうが、CSに行けなかろうが、極端なことを言えば勝とうが負けようが全然どうでもいいと思うような願いを持っていたのだ。
その願いについては今ここでは書かない。もったいぶっている訳ではなくて、
口に出してはだめよ
見つけた流れ星
(松任谷由実「私を忘れる頃」より)
のように、願い事は口に出してはいけないのだから。
そして
stay dream 願い事は
叶いそうになったら教えるよ
(松任谷由実「夕涼み」より)
ということでご理解いただきたい。実はまだまだほっとしてばかりはいられない私なのである。
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