こちらも公開された時にすぐに鑑賞した。そして私は本作はとても…面白かった?興味深かった?心に響いた?…どれも微妙に違うのだが、印象に残った(あ、これも違う)のである。
原作は1961年にポーランドで出版されたが、すぐに発禁となり、その後2022年まで出版されることは無かった。発禁の理由は内容の過激さだと言われているが、私には正直そんなに過激なものとは思えなかった。作者のレオポルド・ティルマンドの実体験に基づく自伝的小説だということだが、それを映画化した本作のラストシーンなどは多分に妄想(および願望)を拡大表現したものだろうし、主人公のフィリップ(エリック・クルム・ジュニア)がポーランドでナチスによって恋人を失った後に、フランス人と出自を偽ってフランクフルトでドイツ軍将校相手のホテルのウェイターをする傍ら、将校の妻たちと次々に愛人関係となっていく様(さま)などは、生きていくために仕方がないことのような気がしてならず、それ程「復讐」の意を強く感じた訳ではない。むしろ、あの戦禍の中で、人間の尊厳の境目を行き来する苦悩を表現していて非常に文学的であったと思った。
そう、非常に文学的だった。そしてそこが一層、フィリップの苦悩を胸に染み込まさせる。そして愛情だけではなく、憎しみが生きる原動力となることも思い知らされる。そのような原動力とは虚しいものだ、ということも。
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