これを面白いと思った私は下品で軽薄であると認めざるを得ない。でも面白かったんだ。メルギブが主演だから観た訳だが、メルギブは物凄くハマっていた。何ならこれがメルギブの「本当」のようにさえ見える。
エルヴィス(メル・ギブソン)は、深夜ラジオのパーソナリティー。歯に衣着せぬ発言と過激なイジリをウリに、ラジオを通して電話人生相談を行い電波に流している。その夜もいつも通り、妻と幼い娘を家に残し、生番組をオンエアしていた。
だが、リスナーからの1本の電話が、その夜を一変させた。ゲイリーと名乗るその男は、元恋人がエルヴィスの過激なイジリで心を病み自殺してしまった恨みを晴らさんと、エルヴィスの妻子を人質にとり、更にはラジオ局の建物を爆破すると宣言したのだ。深夜のラジオを介して、恐怖と戦慄のやり取りが繰り広げられる。
…という展開なのだが、コレの最終的なオチが誠にお下劣なのである。お下劣っていうか、中学生とかが喜びそうな感じ(と言ったら中学生は怒るだろうか)。中学生じゃない人はある程度オチは読めるのであるが、メルギブだから私は許せる。
ここからは鑑賞した人の間だけでの秘密のオハナシ。
私はだけど最初から…それこそブースに入る前の飲み物のやり取りから…ディラン、あんた何者…?と思っていたよ…。いや後付けじゃなくホントにホントに、観ている間中、ディラン、あんた何者?と心の中で呟いていた。呟かせるような行動とか表情を彼がする訳だし。ああ、ウィリアム・モーズリー…彼は「ナルニア国物語」のピーター役の子だったんだね!とかいう意味ではなくての、ディラン、あんた何者?である。
原題は「オン・ザ・ライン」。
未体験ゾーンの映画たち2023で鑑賞。