のっけから、何の説明も修飾語も不要という自主判断で。山﨑康晃残留だ。横浜DeNAベイスターズファンなら、今日のこの日に多くの人が涙したと思う。私ももちろん泣いたし、何なら同郷の友人達と飲んでしまった(いやこれは最初から予定が入っていただけのことなんだけど)。メジャーリーグに行かずに、6年の長期契約である。
まさかまさかの展開に、本気でどうしていいか判らない。別に何もしなくてもいいんだけどね。ただ、この秋のクライマックスシリーズで現地に居た私は、山﨑康晃が投げた時に、横浜スタジアムで彼が投げるのを見るのはこれが最後と覚悟し、帰宅後、古くから使っていたため既に色褪せている山﨑康晃の応援タオルをそっとタンスの引き出しの一番奥にしまったのだった。何年後かにこのタオルを再び手にすることを願いつつ。
それがもう4ヶ月後には、またこのタオルを持参して横浜スタジアムに行けるのである。これを幸せと呼ばずして何と呼ぼう。いや、色褪せてるんだから新しいのを買いなおそうよ、とさえ思う。だがタオル1枚といっても思い出があるものだ。いつもの横浜スタジアムでの習慣は、試合開始前からこのタオルを首に巻いて、いよいよ9回の裏になった時にそれを両手で掲げるというもの。山﨑康晃のタオルは横浜DeNAベイスターズに関する喜びも悲しみも、ずっと私の首元で共にしてくれていた。そう、今の私はタオルを擬人化する位興奮している。
メジャーリーグから思ったより良いオファーが無かったからだ、と口さがない事を言う人がいるのも知っている。そんなことは、仮に思ったとしても言わないのが大人の嗜みだ。それに仮にそうだったとしてもそれが何か?彼が残ってくれたというのが、それだけが事実なのである。
泣かせてもらう。今日だけは泣かせてもらう。思えば昨年の今頃、宮﨑敏朗の「生涯横浜宣言」でも私は泣いた。2年続けて嬉し泣きができるなんてなぁ。