鑑賞できて歓喜。
ただし、相当グロい。グロいけど、香港映画の醍醐味は常にこのグロさと背中合わせだ。堪能したければグロの渦に身を委ねるしかない。
そうだ。香港映画の例に漏れず、いつものように荒唐無稽なのだ。荒唐無稽でグロくて、でも最高だ。
そして多重人格の(設定の)ラウ・チンワン最高だ。
(一応2007年公開の「MAD探偵」の後日譚という位置づけである。「MAD探偵」は私はレビューは書いてないけど公開時に鑑賞している。当時はジョニー・トーとワイ・カーファイの共同監督だったのであるが…ああ愛しのmilkyway!…今回の作品はワイ・カーファイ単独の監督作品である。)
東京国際映画祭で鑑賞した作品は、基本的にはネタバレということにしているので以下ネタバレ含みますが、本作については完全にネタバレをしてしまうとつまらなくなるので、設定とか前提とかのみを記すことに致します。
香港で起こった猟奇殺人事件。
多くの若い女性が拉致・監禁され、酷い手口で殺された。たまたま1人が逃げることに成功し、手を縛られ目隠しをされた状態で、とある村を流れる川の浅瀬を歩いている所を発見された。
彼女が発見された場所から、付近の村に住むチョンという男が容疑者となった。チョンは頑なに犯行を否定したが、ナタ包丁を振り回して警官に対峙した所を絶命させられる。幼い娘の見ている前で。
17年後。
かつて「神の捜査官」と言われて難事件をことごとく解決してきた元刑事(ラウ・チンワン)は、今刑事を辞め路上の広いスペースで暮らしている。その場所にはこれまで起こってきた様々な事件の分析がびっしりと記載されており、ちょっと異様な体であった。異様なのは彼の風貌や振る舞いにも表れている。いつも黄色いレインコートを着て自転車に乗り、誰か…大抵は事件のことを知る者…と会話しながら街を走るのであるが、他人にはその誰かの姿が見えることはない。そして、彼はその幻影のお告げのようなものを駆使して、行方不明の遺体を発見したりするのである。奇抜な彼の行動は、警察本部を翻弄し迷惑を被っていることも一度や二度ではない。
だが…。彼がこうなってしまったことには警察との遺恨があった。猟奇殺人事件で、チョンは真犯人ではない、とずっと主張してきた。だが、その主張は受け入れられることがなかった。多重人格が捜査中にも出てくる彼は、「神の捜査官」と言われてはきたものの、それは狂人と紙一重の行為だと認識されていたのである。
そして、悪魔の警官事件が起こる。夜の路地で、警官が3人の警官を撃ち殺した事件である。現場では、2年前の警官殺害事件と同じ銃が使われていた。当然、撃った警官が犯人であると思われたが、神の捜査官ラウ・チンワンは捜査が間違っていると捜査本部に乗り込む。だが、もちろん彼の主張は受け入れられない。
更に、次から次に香港の町に不気味な事件が起こる。昔同僚を焼き殺したと目される市場の仲買人たちが埠頭で焼き殺される事件。人肉スープ事件の容疑者が同じように人肉スープにされる事件…いずれも、事件現場にはスプレーペンキで、当時の事件のシリアルナンバーが大きく書かれていた。
若く有能な刑事フォンと、その妻でこれも有能な刑事ウォンとはチームのメンバーと共に捜査にあたる。
そして、港に停泊しているタンカーで、更に大規模な出来事が起こる。
怪物と戦う時は、己が怪物にならぬよう注意すべきだ。神の捜査官の座右の銘である。だが、果たしてそれは有効な訓示となり得たのだろうか?
深淵を覗く時、深淵もこちらを見ているのだ。オーラス(これをハッピーエンドと呼ぶかバッドエンドと呼ぶかは意見が分かれる所だと思う)、神の捜査官が警察の現場に復職して部屋を見やる時、窓に映った顔が彼のその顔ではなく別の人物の顔になっている演出に全てが凝縮されていた。
ガラ・セレクション作品。香港映画。
(2022年アジア映画)
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