何故だか突然、物凄くくだらない作品を観たくなった。くだらなくてバカバカしい作品を。特に気分が落ち込んでいたり、気晴らしが欲しかった訳でもないのに、くだらなくてたまらない作品を観たくて観たくて居ても立っても居られなくなったのだ。
そうしたらうってつけの作品が公開された。「KAPPEI カッペイ」である。題名からしてもう、ね。マンガのタイトルなんだけどさ。いやもう何でもいいのだ。
そして、期待していた以上にくだらなかった。くだらなくて、最高に面白かった。いや〜、本当に観て良かった!名作でもないのに、鑑賞後しばらくは、各々のシーンを頭の中で反芻した程だ。
何が良いかというと、全力でくだらない馬鹿を演じる役者が良かった。伊藤英明という人の事を、私はこれまで照英と区別がつかない程度にしか知らなくて、でも今回でファンになってしまったと言っても良い位。大貫勇輔や山本耕史や小澤征悦もイイんだけどさ、意外となにわ男子の西畑大吾が大健闘。そしてヒロイン山瀬役の上白石萌歌が超絶カワイイ。
あんなカワイイ子が高校から大学生まで何年もの間片想いをしていて、告ったら失恋なのだ。しかも「堀田先輩」に。堀田先輩…先輩3割増しの法則をここまで体現しているキャラは稀である。もうお腹を抱えて笑うレベルの掟や金言が満載だ。
これ系の作品を万人にお勧めするのは躊躇われるけれど(ギャグ漫画ってそういうものだし)、くだらない事&バカバカしい事を蔑む方でなければ是非にとも。ああ、そういえばなんか、「翔んで埼玉」を観た時にもこんな気持ちになったような気がする。
(2022年邦画)