この令和のご時世に(設定は平成であるが)、特攻服に身を固めたこんなにも沢山の若者が日々縄張り争いの喧嘩に明け暮れるなんて、そしてそれが本作に限らず、映画の世界では千々存在するのだから、日本のファンタジーの方向性を憂いてしまったりするのだけれど。だがふと今昔の違いを感じてしまった。「ヤクザと家族 The Family」でも気づいていたのだが、昔のヤンキー(愚連隊)と今のヤンキー(愚連隊)の違いのひとつに気づいたのだ。昔のヤンキーは、成長して暴力団に所属することはあっても、基本的には暴力団の下部組織(?)であって、彼らヤンキーが暴力を生業としていたとしてもビジネスとして成立させるのはもうちょっと大人になって(暴力団員になって)からなのである。対して今のヤンキーは、ハングレに代表されるように、既にその立ち位置がビジネスそのもので、大人になっても、上部組織に所属することなく、自らビジネスを形成していく。大人にならずとも、もうどっぷりとビジネスとして仕切っていたりする。