面白かった。この人にこういう役をして欲しいなぁ、と思った通りの配役で、ストレスがまるで無い。もう、どんな展開でどう帰結するかは判り過ぎる位判るのだけれど、それがむしろ楽しい。
巨悪に立ち向かう為に、過去への贖罪の気持ちと自らの病の状態から一線を退いていた刑事が、服役中のメンバーを集めて違法とも言える捜査を開始する。おっ、主語を変えるとこんな風になるのか。いやでも主語はやっぱり、荒唐無稽な荒くれ前科者たちで(「荒くれ」はマ・ドンソクにのみ当てはまるのだが)、彼らがチームを組んで突撃するのが本作のメイン。
巨悪の影には更により一層の巨悪が潜み…というのもお約束。そんなものには到底太刀打ちできないと思われる彼らが、知恵と力とで勝負を挑むのもお約束だ。アクションも、冒頭の刑務所内でのマ・ドンソクの力を見せつける乱闘を前菜に、カーアクション、追いつ追われつの激闘、数多入り乱れる大乱闘、屋上でのラスボスとの一騎打ち、とメインコースは多彩である。
そして大円団を迎えた後に、彼らがちゃんと服役するあたり、続編の匂いがぷんぷんするのもまたお約束か。こんな楽しい設定なら、新規メンバー入れつつの続編もあってもいいかも。
(2021年アジア映画)