「嘘八百 京町ロワイヤル」

「嘘八百　京町ロワイヤル」は2018年に公開された「嘘八百」の第二弾である。それにしても「嘘八百」と「嘘八百　京町ロワイヤル」は劇場ポスターの構図といい醸し出す雰囲気といい瓜二つである。違うのは「嘘八百」のバックは赤が基調で、「嘘八百　京町ロワイヤル」のバックは黄色が基調、とかそんなような点位だ。もう、これはシリーズ物でやっていくんだもんね！下手したら寅さん並みに続けていくんだもんね！という決意が表れているのでは？という印象だ。

前作の感想でも書いたが、観る人を選ばない作品。結構面白くて、結構好きな感じである。↓

そして今回もまた「敵」に鉄槌が下される。が、そこに美しい女狐…もとい橘志野（広末涼子）が絡んでくるのがまた面白い。そしてその美しい女狐は「敵」に曰く因縁を持っていたことから、小池（中井貴一）と野田（佐々木蔵之介）とのタッグが形成されるのである。

意図的に素人向けにしたのかもしれないが、前作よりも古美術の世界の奥深さに欠け、真贋に対する解説・デモンストレーションが少なかったような気がする。もちろん娯楽作品なのだから、そんな部分を掘り下げたところで…なのだろうけれど、ちょっと知らない世界を見てみたい、というのもあった（極めて素人的な気持ちから）。だからその点では少ぉし不満である。

ただその分、広末涼子と中井貴一＆佐々木蔵之介の化かし合いが面白く、いかにもな感じの人情噺的なオチも、それを覆うさらなるオチも、予定調和の中での面白みがある。中年男2人（中井貴一と佐々木蔵之介）では絵的に厳しい、というのであれば、広末涼子だけとは言わずに毎回それなりのヒロインが現れ、2人プラス美女1人的なタッグで展開するのも良いのではないだろうか。おっ、そうなるとまるで寅さんのマドンナ形式になってしまうけれど。

（2020年邦画）