ミュージカル仕立てにする必要は全く無かったと思う。ミュージカル仕立てを省けばもっと純粋に面白かったのに。ヲタク・カルチャーだけでなく、会社に入ったばかりの若い男女の緩~い感覚が垣間見られて。
2次元及び2.5次元ヲタクであり、かつ腐女子(「やおいやBLと呼ばれる男性同士の恋愛を扱った小説や漫画を好む女性のこと」とWikipediaに書いてあった)であることを隠して転職してきた桃瀬成海(高畑充希)。前の会社では、せっかくできた彼氏にヲタクであることを知られて破局した、という苦い経験をしていたからだ。だが、転職先の会社に幼馴染だった仁藤宏嵩(山﨑賢人)がいたことによって状況が変わって来る。宏嵩はその昔から重度のゲーオタであり、そのことを隠そうともしないある種潔いサラリーマン生活を送っていた。幼馴染であるため、当然成海の趣味・趣向もよく知っていた。二人の利害が一致したため、成海と宏嵩は付き合うようになった。…という、まあ他愛もない恋愛話である。
高畑充希は鉄板であるし、山﨑賢人もこういう感情の起伏に乏しい(ように見える)イマドキの若者を演じさせたらとても上手いと思う。脇を固める助演陣も、賀来賢人は声優ヲタのハイテンションがずっぽりハマって(このハイテンションっぷりはどことなく高嶋政伸を彷彿させた)キャラが立っていたし、菜々緒の(実はたいしたことない)謎めきキャラも似合っており、斎藤工は、こういうのをできるから私はこの人を好きなのである、といった感じにほぼみんな良かった(佐藤二朗はちょっとやり過ぎのような気がして今回はあまり好きではない)。
この熱い演者陣が、マシンガンのようにオタク用語を連射し、その時画面にはニコ動などで御馴染みのテロップが乱舞する。こういう文化のテンポの良さが楽しい。ただ、そうであるから尚更、ミュージカル仕立ての分がテンポとバランスを崩して残念なのである。一言で言ってしまえば、このミュージカルシーン(の特にダンス)が下手。圧倒的に下手なのだ。それも、驚異的な下手さでむしろそこに味があって面白い、とかいうたぐいの下手さではない。ただ単に下手なのだ。だから何故それをそこここに挿入するのかが理解に苦しむ。ガクッとテンションが下がるのよ、観ている方は。
まあ、だが敢えて批判を覚悟の偏見を言わせてもらうと、世の中のヲタクにこういった美男美女の存在は稀なんだよなぁ。そういう意味でもこの作品は全きファンタジーなのであり、ファンタジーだからミュージカルをぶっこんできたのかな。知らないけど。
(2020年邦画)
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-30725175"
hx-vals='{"url":"https:\/\/tokokonats.exblog.jp\/30725175\/","__csrf_value":"1ca4c285559c67bef9621e29ee1506dbeb18efe13e711f2a17afb9aba4863dd62c0361b8f4df57a0d89bc0340feb3f64fcda7dc587a31518b80c3fcf2ac7c9be"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">