安さ爆発。だが嫌いではない。いやむしろ好きかも。これをただの安さ爆発叩き売りにしないところがニコラス・ケイジのなせる技なのかもしれない。こういう作品を嬉々として演じているように見えるニコラス・ケイジは大好きだ。
未体験ゾーンの映画たち2019にて鑑賞。そういう意味では確かに未体験ゾーンではあった。少女の頃の臨死体験をきっかけに、あの世に行く人の魂をこの世に取り戻すことができる能力を持った女ジュリー(フランカ・ポテンテ)。彼女は自分の娘ビリー(ペネロープ・ミッチェル)がバイク事故で生死の境を彷徨っているその時に、その能力を使って娘をこの世に引き戻そうとする。だが、それを行うには誰か協力者が必要だ。そう、つまり自分を臨死体験に持って行ってくれる、自分を死の淵の寸前までの状態に追いやってくれる人が。成り行き上、ガソリンスタンドで偶然出会ったジョー(ニコラス・ケイジ)にそのことを打ち明け、彼に協力してもらってビリーを生き返らせることに成功する。しかし、この世に戻ってきたビリーはどこかかつてのビリーとは違っており、その裏には恐るべき事実が隠されていたのだ…。
真面目に勉強して最高学府に行ってきちんと仕事を持つことが馬鹿馬鹿しくなるような映画。いや、逆か。こんなその日暮らしの刹那的な人生を送る位なら、間違って変な男女と出会わなくて済むのなら、真面目に勉強して付き合う人間を選ぼう、と思う反面教師になる可能性はある。でも、登場人物全員が悲劇を背負っているようにはとても見えない様は、やっぱり快楽に任せて刹那的に生きる生き方も、現世を楽しむ為にはアリなのよ、と思わせるに足るような気がしてならない。