興味のない方は全くご存知ないことだと思うが、昨年映画「RE:BORN」で(私の中では)一世を風靡した、アクション俳優でありウェイブの使い手、坂口拓ことTAK∴は、山梨県の忍野忍者の里で、特殊忍者集団「雷風迅」の修行場を持っており、忍者の後進の指導に努めている。彼は現代社会に生き残る最後の忍者であり、それを本業としているのだ。もちろん、世に忍者のなんたるかを知らしめる為にも、時には興行的な忍者ショーもそこでは開催している。
と、自分で書いていて何だかくすぐったい。熱狂的なTAK∴のファンであるはずの私でさえ、これは…この「レッド・ブレイド」という作品は、忍者集団の発表会なのだと自分で自分を納得させざるを得ない。つまり…ファンであるからこそ、最後まで笑わずに観るべきなのか、いやファンだからこそ要所以外は半笑いしながら観るべきなのか、という狭間で悩む類の作品なのである。
そんなことより、場内客席はほぼ満席であったのだが、観客の中に女性客は私1人だけであった!こんな経験は初めてである。客がちらほらしかいない作品で、その客は全員が女性、又はほぼ男性で女は私1人、ということはなかったこともないが、こんなにぎっしり詰まった客席で女は私1人!男の中に女が1人〜♪と歌ってしまいそうな勢いである。
そして観進めて行く内にその理由が何となくわかったような気がした。それは大変失礼な理由づけであるのだが。冒頭の多数の忍者を相手に殺陣を繰り広げるTAK∴のシーンだけで、もうこの作品の元は取れたな、位に感じていた私と同様、若い(設定は女子高生)女の子がパンツ丸見えでアクションをすることに「儲け」感を感じる男性諸氏は必ずやいたと思うのである。私はパンツ丸見えが恥ずかしいと思う恐らく最後の世代なので、あそこまでパンツ見せなくても…っていうか、そもそもミニスカのセーラー服でアクションする必然性はあるの?忍者のコスチュームのままでいいじゃん、と思ったりしたのであるが。
すみません、こんな斜めな見方をして大変申し訳ない。それにこんなことを感じてしまうのは、真面目に忍者アクションを観に来られた大多数の方々にとても失礼なことであろう。いやでもくどいけど、そもそもコレ真摯に真面目に観に来ていいの?というような感じではあるのであるが。

原案は園子温、総合演出坂口拓、アクション監督坂口茉琴(オープニングアクションシーンのアクション監督は下村勇二、TAK∴、稲川義貴)。
(2018年邦画)