もう今更言う必要もないことかもしれないが、香港映画は容赦がない。特にこんな風な警察アクション系は。そして私はこの容赦がない感じが好き。
アンディ・ラウが警察の爆弾処理班の有能な中堅班長を演じている。中堅と書いたが、役柄的には「若手」と表現した方がいいような感じ。独身・今まで恋人無しのキャラ、熱血漢のキャラが、若手と言ってもいいという理由だ。だが、いくらなんでもアンディ・ラウを「若手」呼ばわりするのはなぁ…!ということで中堅と表現したのだが、中堅とはいえ、かなりのアクションをこなす彼はもはや年令不詳だ。今回、私は何故かアンディ・ラウに郷ひろみを重ねてしまった。日本でなら、郷ひろみが演じるのに近いものがあるのではないかと。そう、ごめん、少しイタイという意味が含まれる。いやもちろん郷ひろみのことはエンターティナーとして天晴れである、と心の底から思っていますよ。
だが何となく、そういうちょっと懐かしいような、懐古的なものも含めて、本作は香港映画の一つの王道である。
チョン(アンディ・ラウ)はかつて、爆弾処理に長けているという理由から、潜入捜査官としてある犯罪組織に潜入していた。そこで行われた爆弾を使用した銀行強盗で、チョンの情報も功を奏し、死力を尽くした逮捕劇が展開された。だが、一網打尽という訳にはいかず、犯罪組織のリーダーは逃げおおせてしまった。
時は過ぎ数年後、本務に戻っていたチョンは、仲間の警察官と共に、香港の街を守る仕事を遂行していた。そんな時、香港の主要高速道路である海底トンネルで複数の自動車事故が発生し、街は大混乱に陥った。それは、かつての捕り物劇で弟を捕えられた犯罪組織のリーダーのホン(チアン・ウー)が、弟を取り返そうと、また警察に大規模な復讐を果たそうと仕掛けたものだったのだ…。
封鎖された海底トンネル道路に取り残された多くの人々を人質として、更には大容量の爆弾を仕掛けたと告知し、ホンの復讐は警察を翻弄する。交渉役にはあの時遺恨が残ったチョンを指名。チョンは人質解放交渉に、爆弾探知に八面六臂の活躍をするが、残虐なホンの仕打ちは容赦なく、多数の犠牲者も出てしまう。そして…。
ストーリーは単純にして簡潔。犯罪サスペンスの一方の王道である。ぐいぐいと畳み掛けるような展開に、固唾を呑むシーンがてんこ盛り。こういうテンポが好きなのである。チョンと恋人のシーンだって、この手の香港映画で時に感じる「シラケる」「要らね」という感情は一切湧かず、それなりのスイートスパイスになっている。
アンディ・ラウのことは決して好きで好きで堪らない役者ではないにせよ、やっぱり彼が出る作品にはあまりハズレがないなぁ、としみじみ思う。だがそれはもしかしたら久方振りの香港映画に舞い上がっているだけなのかもしれない。と、自戒を込めつつ、それでもやっぱり香港映画を好きなんだなあ!

(2018年アジア映画)
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