この作品は大層イラン映画っぽい。終始会話劇で成立している。で、正直に言うと、私はこういうイラン映画っぽい作風は苦手なのである。
終始会話劇で成立している作品自体が苦手だということではないのだけれど…何だろう、何でか「面白さ」を感じられない。市街地にまで内戦の影響が色濃いガザの街で営まれる美容室に集まった女性達が、言葉を交わし、そこにそれぞれの人生模様が見え隠れし、悲劇とそれに立ち向かう女性の強さが炙り出されるという、プロットとしては極めて好きなものなのに、ものなはずなのに。
ガザの街中にある美容室。そこでは何人かの女が施術の順番を待っている。今、結婚式を控えた若い女の美容が施されている所なのだ。そうしている内に、外が騒がしくなってきた。内戦の中、逃げる者と追う者とで激しい戦いが行われ、その影響がこの美容室にもやってくる。
男たちは戦うことばかりに明け暮れている。女が政治をやればいいのに。と嘆きながら、それでも戦火の最中でも恋をし、身だしなみを整え、女であることを謳歌したい。時にはご近所の噂話。時には嫁と姑(小姑含む)の諍い、など平和な街でもよくある光景が、このガザの美容室で展開される。
この作品が好きになれない、というか理解不能な決定的な理由は、その会話の中身があまり面白くない、とか、人間模様がそれほど興味をそそらない、とかの部分では実はなくて、この美容室、トロ過ぎるだろう?!という点に他ならない。いくら結婚式のためとはいえ、この美容室は一人にかける時間が長過ぎる。そしてまた何人もが自分の順番が来るのを延々と待ち続けるのは何故?と不思議に思う。もう今日は花嫁の支度に一日中かけるから、他のお客さんは無理です、と予め断っておくとか、それでもどうしてもという人がいるならせめて1人位ならわかるけど。あんな蒸し暑い(と思われる)狭い美容室に、あんなに沢山の女性があんなに長時間待たされて…外は内戦で、攻撃で電力が遮断されて、とか何とか以前に、それ苦行でしょ?と思わざるを得ない。

真面目に捉えなければならないガザの日
常とその悲劇のはずが、私ならあんな美容室には絶対に行かない、とかいう決意にすり替わってしまうのは自分自身いかがなものか?と思う。そしてあんな美容室しか選択肢がないのが最たる悲劇なのだ、などとつい思ってしまう自分を恥じるのである。
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