
2度目の鑑賞である。普段ならどんなにリピートした作品があっても、ブログに同じ作品の記事を2回載せることはあまりしない。記事を書く時にはファーストインプレッションが大切だと思っているから。
だが今回2回目を書くことにしたのは、初回に観た時の私の感想で間違っている箇所があったと思ったから。前回私はTAK∴への思いが強過ぎて、1ミリも冷静に観ることができていなかった。今回かなり精神的に余裕を持って観ることができたので、作品を俯瞰で観ることも可能になった。それで気づいたのだけれど、前回私は共演者達のことを(もっと深掘りすればこの作品の舞台というか背景というかを指してもいたのだけれど)「チープ感炸裂」と書いてしまったが、それは誤りである。ごめんなさい。確かに高級感溢れるとまでは言えないけれど、TAK∴のアクションの見どころを余す所なくバックアップしてくれた方々のことをチープだなんて私ってなんて失礼な!ではなく、いや、それに近いのかもしれないけれど、要塞への殺しの旅路や、TAK∴と稲川義貴の壮絶バトルを最大限に登り詰めた形で魅せるために、誰も彼もその役割をきちんと果たしていた。本当に本当にごめんなさい。

それとやはりTAK∴のアクションのことをもう一度言いたい。これまで私は「速過ぎて見えない」のはドニー・イェンのアクションだけだと思っていたけれど、真に速過ぎて見えないのは本作のTAK∴のアクションだ!と声を大にして言いたいのだ。速過ぎて見えない…比喩なんかじゃなくて。途中をカットした訳でもないのに、繰り出した拳と収める拳とがその出し入れが速過ぎて、拳があたかもその場で収まったままの状態に見える位なのだ。

TAK∴が「あちらの世界」に行ってしまっているのは間違いないのだけれど、自分の納得感が全てで技を魅せる気持ちすら無い、と思ったのは間違いである。確実に彼は私達に「魅せて」いるのだ。ウェイブも、足捌きも、ゼロ・レンジも。むしろ全てがサービスショットだと言える程に。
鑑賞回数を重ねるごとに、TAK∴のアクションの凄まじさが一層わかる。アクションを噛み締め、味わう作品。…もしかしたら、劇場鑑賞2回じゃ終わらないかも。
あと、特筆したいのは、坂口茉琴、すごく良かった!

今回は、TAK∴と加藤雅也と下村勇二監督のトークショー付きの回を鑑賞。すごく面白くてすごく良かった!
(2017年邦画)