
ドイツのとあるのどかな田舎町、ボラースドルフ。祖父母、息子(娘)夫婦、子供(孫)の三世代で快適に暮らすのが普通な町であった。そこに、ある調査隊「銀色団」がやってくるまでは…。
その町はドイツのちょうど真ん中、おへそのような位置にあり、それはつまりヨーロッパのど真ん中に位置しているということなのである。と、「銀色団」は言って、町の住人たちにヨーロッパ中のあらゆる新商品のモニターを依頼する。つまり、一番真ん中に居る一番普通な人たち…彼らに受け入れられる商品ならば、世界のどこででも受け入れられるはずだから。
「銀色団」が町の人たちに期待するのは、極めて普通であること。それは驚くべき天才で子供達のアイドルであるハナグマのクアッチや、各々個性的でぶっ飛んだことも平気な年寄り連中などは、邪魔者以外の何物でもないということを示していた。「銀色団」の言うことを鵜呑みにする大人達は、「普通」になりたいが故に年寄り達をまとめて老人ホームに入れてしまう。さあ大変!6人の子供達は立ち上がり、クアッチと協業して、おじいちゃんおばあちゃんの救出作戦を練り、敢行する!フツーなんて大っ嫌いだ!


オーディションで選ばれた、演技経験のない子供達が自然な演技で画面一杯に弾ければ、噂ではCGではないという(ちょっと、マジ?!にわかには信じられない!)ハナグマがアカデミー賞も土下座するような動きで子供達のフィクサーの役割を好演する。だが、「子供」と「動物」が出てくるからとらいって、これはただ単にカワイイだけのお話ではない。いや、カワイイというよりも変にシュール。近未来のような、いやいや裏を返して古き良きアメリカンホームドラマの時代のような、不思議な雰囲気を醸し出している。


じんわりと印象に残る作品ではあるが、大絶賛!子持ちの人は是非是非観てね!という感じでもない。観た人の中には温かい気持ちに包まれて劇場を後にする人もいらっしゃると思うが、私は別にそんな風にはならなかった。ただ何となく、だけれど、こういうような作品を観て「良かった!」と評価しなければ極悪人と認定される、そんなようなプレッシャーを感じなくはない。人としても母としても、映画を愛する立場としても、だ。もうせん、どう見られているか、なんて気にしなくなりつつはあるのだけれど(いや、あくまで映画鑑賞者としてですよ、日常では極めて常識人だと自負しております(笑))、この「動物」であり「子供」であり「年寄り救出作戦」である本作をけなすなんて無理だなぁ。

と言いつつぶっちゃけ、可もなく不可もなし、の作品ではあった。公開劇場数も少ないので、わざわざ遠くまで足を運んで観る必要があるか?と言えば、そーでもないよーと言わざるを得ない。でも、何処にも無い、けれど何処かで接したような記憶のあるキッチュな作品であった。このテイストを「まるで××と同じ」と言い切れないのがもどかしい所だよなぁ。
(2017年洋画)
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