
鑑賞している間中、私はずっと腹が立って仕方なかった。こんなに面白い作品を、どうしてガンガン宣伝して上映館数を増やさないのだろう?TO◯Oシネマズなんて上映2週間で打ち切りだ。どうしてこの作品を文科省推薦にしないのだろう?私が中学校の社会の教師なら、特別授業と言って自腹で生徒を連れて行ってもいい(ひとクラスに限るけど)。いや、これについては後半にかけての残虐なシーンの多発に、青少年へのご推薦はまぁ無理だな、と感じたのでいいんだけど。でもでも、2000年前にローマ帝国から東方へ逃れてきた軍隊の末裔が、今もユーラシア大陸のアジア地域に残存して生活している、という、1950年代から仮説が立てられていた史実が、2009年の発掘調査でより現実味を増している事、なんとロマンに溢れていることか!東西交易におけるシルクロードの存在とその有益性、シルクロード沿いには様々な民族・部族が存在している、という事。その多民族・部族は各々異なった肌の色と異なった衣装・武具を身に纏い、戦法も進軍ラッバや鳴り物の打ち鳴らしもそれぞれに違い、楽しからずや!社会科の授業を膨らませるエピソードに満ちている。社会科だけではない。砦を再建する時にローマ人が使った建築技法は学ぶべき面白さだし(実生活の何に使うかは聞かないで)、そんなこんなのことよりも何よりも、敵を友とする平和・友愛の精神がいいじゃないか!その点からもこの作品は骨の髄までジャッキー・チェンなのだなぁ!

恐らく…押しも押されもせぬハリウッドスターであるジョン・キューザックも、アカデミー賞主演男優賞に輝いたキャリアのエイドリアン・ブロディも、ジャッキー・チェンと共演する(だけでなく一戦をまみえるシーンもある)事が嬉しくて仕方なかったのではなかろうか?エイドリアン・ブロディは幼い頃からの熱烈なカンフー映画ファンだったと聞く。エイドリアン・ブロディが中高生なら、きっとオファーを受けた時にクランクイン前に既に「ジャッキーだよ!」「あのジャッキー・チェンと共演だよ!」「俺すごくね?」とTwitterでつぶやきまくっていたに違いない。謀反・策略により、実の父親や弟に手をかけた極悪人であり冷酷無比な役柄なのに、座位について戦況を眺めている時のエイドリアン・ブロディは、将軍ルシウス(ジョン・キューザック)を捕らえ拷問した時の笑みとは明らかに違う表情に満ち溢れていたと思う。これから何が起こると思う?俺、一騎打ちしちゃうんだもんね、あのジャッキーと!というようなワクワク感が、隠しても隠しきれない、というか。

ジョン・キューザックもエイドリアン・ブロディも、かなりの時間をカンフー相手の闘いの練習に費やしたのだと推測されるが、例え老いていても(いやいや本作のジャッキー・チェンは近年稀に見るなかなかの若々しさだったのだけれど)、致命傷を負っていても(大腿部へのあの深い刺し傷は普通なら死に至るはず)、ジャッキー・チェンがエイドリアン・ブロディに勝つのはストーリー的なお約束と言うよりも、ジャッキー相手に勝てません!恐れ多くて!手合わせしていただいただけでも幸運なのに!という心理のなせる技のような気さえする。


とまあ、結局は私もエイドリアン・ブロディと同じく、いや、もしかしたらそれ以上にこの作品をワクワクしながら鑑賞したのであった。そして実際にローマ兵士の落武者伝説が残る上述のアジアの地で今も暮らす人たちは、DNA鑑定をするとその3分の2がヨーロッパ系のDNAで構成されている碧眼の顔つきの人々だというのだ。…なんというロマン!

(2016年に観たアジア映画)
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-25379571"
hx-vals='{"url":"https:\/\/tokokonats.exblog.jp\/25379571\/","__csrf_value":"489f0b1e8a434d00810dfcd96d5fd2e124f3fddac09ff87ecdb8b99d195710644c854a668eca46bb9bb2e4d163cfab0f9ce144182af97e737b1ead0e971dd66f"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">