
シリーズとして3作目のこの作品、何故前の2作品を見逃したのかは判らない。好きな人ばかり出ているのに。「インファナル・アフェア」のアラン・マックが監督なのに。公開時、きっとよっぽど忙しかったんだろうなぁ…。と勝手に過去を解釈して、それでもなんやかんやでこの3作目も公開終了直前に鑑賞。前2作品を観ていなくても全くノープロブレム。3作品ともそれぞれ独立した別個のオハナシなのであるが故。
極めて香港的な作品。しかし正直、どこか表層的な感じは拭えない。ちょっとまとまりすぎているというか。いや、綺麗にまとまっている訳ではない。こじんまりとまとまっている訳でもない。色んなシーンやエピソードがどこかの何かで見たようなものばかり。まあ、それもまた香港映画と言えようか。(義)兄弟の契り、ボスへの忠誠を果たすか否か、裏切り裏切られる中での「情」の切なさ、香港の土地問題…極めて香港らしいエピソードを散りばめ、構成される。(ルイス・クーが浴びるように酒を飲んで車を運転しているシーンは「ドラッグ・ウォー 毒戦」を彷彿とさせる。ま、そこだけだけど。)

目新しさ、というか、これまで私が知らなかった知識は新界の「丁」という存在。香港近郊の新界では昔から、土地を一家の長に無償で分け与え、その家に男児が産まれると「丁」と呼び、登録をし、一家は継続していくという制度を取っていた。この土地が、香港の近郊都市として再開発される事になり、土地の権利を一括して得ようとする者が深謀策略を練り、跋扈する様を、敵味方入り乱れて描いている。
入り乱れる人々は、ラウ・チンワン、ルイス・クー、アレックス・フォン、ラム・ガートンなど、超豪華キャスト(私にとっては)。これにダニエル・ウーも加わるのだから堪らない。しかし、豪華キャストの割には前述のように既視感満載の通り一遍の展開なのである。


おっと、肝心の「盗聴戦」についてなのだけれど、仲間の目的の為に自らが犯罪を犯したルイス・クーが、出所してから以降の出番。かつての仲間に感謝され、再び組もう、利益も配分する、と誘われたものの、その裏に隠された利権の奪い合いを見抜き、彼らに対して盗聴機を仕掛け、事を違う方向に向けようとする。この盗聴音声や映像の仕掛人、分析屋がダニエル・ウーなのである。

大規模不動産会社の更なる発展を目論見、それ故に人のカネや命に何の敬意も払わなくなる人々の欲の浅ましさ。濡れ手に粟のカネというものは、やっぱり存在しちゃいけないのだ。
(2015年に観たアジア映画)