
想像していたよりも面白かった。という感想を息子に話したら、「想像していたよりも、どころではない。すっげー面白かった。」と正されたので、少年心をくすぐる作りなのであろう。「でも少し怖かった。」とも言っていたので、怖楽しいアトラクションの体なのか。
いや、アトラクションの趣きとは少し違うな。どうもこういう、集団の中で個人が逃げる、戦う、生き残る、などの話というと、「ハンガーゲーム」的なものを想像してしまうのだが、いや、全っ然。まず、何故このような環境下になってしまったのか、の前提、謎解きが面白い。それからくだんの「ハンガーゲーム」は生き残る為に戦う、のに対して、こちらは生き残る為に共闘する。この成り立ちがすごく社会性に満ちている。

理由もわからず突然コンテナから放り込まれた場所。そこは巨大な迷路に囲まれた空間であり、1カ月に一度同じようにコンテナに生活品などと共に送り込まれた少年達が集められ、コミュニティーを形成していた。

そこに放り込まれたトーマスは、皆と同様、これまでの記憶は何も残っておらず、辛うじて自分の名前が思い出されるのみだった。自給自足の生活の中、ここから出たいという思いは募る。あの巨大迷路の向こうには、外の世界が存在するのでは?一定の時間になると迷路自体が動いてその入口を閉ざし、日々内部の構造を変えていく不思議な迷路。その迷路を探求できるのは、「ランナー」と呼ばれる役割を担う者のみだった。そう、このコミュニティーで上手く生活していくためには、リーダーのアルビーを筆頭に、秩序正しい役割分担が存在したのである。トーマスは「ランナー」になりたい、と希望する。しかし、巨大迷路の中には恐ろしい敵が潜んでいたのだ…。

ある日、リーダーのアルビーとランナーのミンホーが迷路に向かうが、アルビーは迷路で瀕死の重傷を負い、仲間内にも恐怖と混乱が起こり、集団統率が乱れる。皆の戸惑いをよそにトーマスはランナーとしてミンホーと共に迷路に突入。恐ろしい敵を一体倒すものの、それが、コミュニティーにさらなる恐怖をもたらす事になるのだ。果たして、彼らはその苦難を乗り越える事ができるのか?外の世界へ脱出できるのか?巨大迷路の正体は…?

少年心をくすぐる作り、なのは、これがアメリカのティーン向け小説を原作としているからに他ならないが、私は何となく漫画「神様の言うとおり」を思い出してしまった。あれは真っ当な母親として、眉をひそめる類いの漫画なのであるが(そして珍しく私もあの漫画には眉をひそめていてあまり好みではない)、あの漫画が持つ不愉快感は全く無く、何故思い出したかというと、何かわからない力に動かされて対峙しなければならない恐怖の試練、という設定が似通っていたから。しかし、こちらの方が深遠だぞ。と思う。そして早くも第二部が楽しみである。
(2015年に観た洋画)
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