
新旧関わらず、未見の香港映画を初めて観る度に思うのだが…。私は今まで香港映画を舐めていたのだ、と、激しく反省させられる。そして今回はジョン・ウーの事も。ジョン・ウーなる人物の力量の事も。
よく、「荒唐無稽な所が好き、それもまた香港映画」などと言ってはいるものの、扉を開くたび毎に新たな荒唐無稽に出会える、ホントにそれが香港映画なんだよなぁ!
そしてなんとこれが25年前の作品なんだ!トニー・レオン、サイモン・ヤム、そしてラム・シューさえも若い若い!香港返還に揺れる街や、ベトナム戦争の惨状が背景になっているが、それはこの作品が作られた時よりもっと昔の出来事。だが、作風には確かにリアルにその時代を感じる。

ベン(トニー・レオン)、フランク(ジャッキー・チュン)、ポール(レイ・チーホン)は幼なじみで、青年になってからも街のチンピラとして喧嘩に明け暮れていた。時は香港返還を叫ぶデモ隊と警察が衝突し、香港の市民は皆明日への希望が見出せない混沌とした時代であった。
この街で腐っていくより、何とか大きな世界に打って出たいという野望を持つ3人だったが、敵対するチンピラのリーダーをベンが殺してしまったのをきっかけに(それも発端はフランクがベンの為に工面した金を取られそうになって大怪我を負い、その意趣返しとして敵のシマに乗り込んで行った末の出来事だったのだが)、密輸で大金が稼げるという噂のベトナムに渡航する事になった。ベトナム戦争真っ盛りの時である。

しかしベトナム到着後、すぐにトラブルに巻き込まれ、3人は運んでいた密輸品も失い、命からがらサイゴンの裏社会を牛耳るボスの所へたどり着く。そのボスは、聞きしに勝る悪党で、香港の歌手だったサリーを騙し、薬漬けにして売女として働かせているような男であった。3人にとっては手強い敵に見えたボスの用心棒のルーク(サイモン・ヤム)は実はサリーを愛しており、ルークの手助けを得て、彼らはボスから大量の金を奪い、サリーをも奪い、ベトナムの戦地の中を逃げる事になる。だが、そこでは残酷で悲惨過ぎる生き地獄が待っていたのだ…!

シネマート六本木閉館記念イベント「香港電影天堂 最終章」で鑑賞。このイベントはあまりに観たい作品数があり過ぎて、シネマート六本木に泊まり込みでもしなければ鑑賞仕切れないので、これまで未見の作品を中心に鑑賞する事に決めていたが、しょっぱなからこれとは…!ジョン・ウーだから、トニー・レオンだから、と甘い気持ちで臨んだらかなりの衝撃を受けるはず。しかし、荒唐無稽の新たなワールドと感じつつも、クライマックスにはこれまでの出来事を関連づけて挿入していく手腕は、ジョン・ウー流石である。フランクの頭の傷などの廻る(めぐる)因果も。
だけどやっぱり最大の荒唐無稽は、サイモン・ヤムがハーフである、という設定。だろうなぁ…。
(2015年に観たアジア映画)
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