
正にドラマ。香港で生まれ育った男の、生まれ落ちた時からの人生を描く。実話に基づいた物語。私の知らない香港の姿、香港の人々を見る事ができた。ましてや蛋民など!
「浮城」…Floting City…。海に浮かぶ街。イギリス領下の香港には、昔ながらの水上生活者がおり、蛋民と呼ばれていた。彼らは教育を受ける事もなく、船の上で漁協を生業として一家で暮らしていた。その一家にもらわれてきた赤毛の赤ん坊。彼は産みの母が手放したイギリス人とのハーフの子供であった。

その華泉(フーチェン)(アーロン・クォック)は、やがて自分が一家の実子ではない事を知るが、両親(特に母親)の愛情に支えられて実の子と変わらない生活を送る。しかし、生まれながらに蛋民として一生を船の上で暮らすよう定められている事を疑問に思うようになり、学を得たいと思うようになる。そして牧師の協力を得て夜学に通い、陸の仕事に就くようになる。反発していた父親が亡くなると、長男として一家を支える決意をし、がむしゃらに働くが、蛋民の貧しい生活は苦しいままで、やがて兄弟姉妹を離散させなければ生活が出来ない所まできてしまう。

その頃香港で優良企業であった東インド会社に、雑用係として就職が叶い、更に必死に勉強して仕事をこなし、遂には中国人初の重役にまで上り詰める華泉。自身の努力と幸運にも恵まれ、彼の人生はようやく身を結んだのだ。
蛋民であり、ハーフであり、実子ではない。当時の香港でひとかどの人間になるためには負の条件が揃っていた華泉(実際には親戚関係にあった実在の人物、黎華安と廬金泉をミックスしたのが華泉という設定らしいが)。事実、彼は貧しさ、学のなさ故に艱難辛苦を味わう事になる。だが、彼は見事に成功を遂げた。しかし、それは彼の才能だけでなく、育ての母の深い愛情、慈しみがあってこそだった。華泉は、母が生きている頃からそれを感じていたし、それが故に親孝行もした。だが、母の死後、その大いなる母の愛情、母自身の人生に対するひたむきさをより一層知る事になる。それは、自らの出自にも関わる事であった…。

東インド会社で英語を駆使しながら、ハーフの外見もあいまって、自分は一体何者なのか?蛋民の出でありながら、本当はどこから来てどこへ行くのか?自問自答の中、日々暮らす華泉。その自己のアイデンティティの模索は切ない。もしかしたら当時の、いや今も尚連綿と続く、香港の置かれている歴史的な立場と似ているのかもしれない。

余談中の余談ですが…
アーロン・クオックは、香港の俳優の中では特に好きなタイプではなかったのだけれど、いや、結構、これがなかなか、失礼しました、と謝りたい位いい役者だよね。というか、重ねての失礼だけれど、普通の人を普通に演じるのが上手い。そして新発見!老けメイクのアーロン・クオックは、ジョージ・クルーニーに似ていないか?!
(2014年アジア映画)
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-22371637"
hx-vals='{"url":"https:\/\/tokokonats.exblog.jp\/22371637\/","__csrf_value":"586d3431beef5618ecb8c0134a37697b5c46f39ca70c28ad024950c43d044d1a834ee0a5463d480b0df4d2addbd17977200b1e7663df0b2fc6b016a1c6a809c1"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">