
「これがアカデミー賞作品賞だ!」と言われても、「そうですか」としか言いようがない…。いや、悪い作品ではない。丁寧に作り込まれている。騙されて、自由人から奴隷の身に落とされてしまった黒人の主人公ソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)の悲しみ、怖れ、足掻き、などが胸を打つ。

だが、この違和感は何なのだろうか?騙されて奴隷、といっても…。それまで自由人であった事実が落差の激しさを表してはいるものの、アフリカの故郷から突然連れて来られた、という、多くの日本人の歴史認識としてあった奴隷とは異なる立ち位置。これが原因?12年間奴隷として暮らして来た中で、例えば本を貪り読むとか聖書にすがるとか、そんな精神的な糧を得ようと努力するシーンが全く無いからか?
確かに、「これは実話を元にしている」というのは、生還した人物そのものに教養がなければ語り継がれる事はなかなか難しい。だからソロモン・ノーサップは元から知性と教養があり(バイオリンの達人である事をはじめとして)、従って、ある種上から目線で田舎の白人社会に求めるものは何もないというスタンスに立ったのかも。最初の農場(フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)が農場主)でちょっと機転を効かせた所を見せたらたちまち白人労働者(ポール・ダノ)から殺したい程憎まれる、という経験もしてしまったし。

次の農場では白人至上主義者のエップス(マイケル・ファスベンダー)にとことん痛めつけられる。ソロモン・ノーサップの「失われた12年間」は、正に奴隷としての人間以下の生活で明け暮れるのだ。
そう、だから、とても悲惨で胸が苦しい物語。でも、何というか、優等生的というか、ガツンと来るものがなかった。私には。それが現実、それが生きる術、と言われればそれまでだけれど、諦観の中で波が無い。まだしもエップスの農場で出会った女…エップスの慰み者にならなければ生きてゆけず、挙句にエップスの妻に嫉妬から激しい仕打ちを受ける…パッツィー(ルピタ・ニョンゴ)の方が、意地やプライドの気骨を見せていたような気がする。

優等生的なのは、やはりスティーブ・マックイーンが監督だからなのか…と少し思いつつ、結局ブラッド・ピットってなんか役に立ったんだっけ?などと感じながら、最近のアカデミー賞、燃えるのはノミネートの時だけかも…?とつらつら思いながら劇場を後にしたのでした。
(2014年洋画)
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