登場する役者は4人だけ。仲代達矢、北村一樹、大森暁美、寺島しのぶ。そして殆どが、仲代達矢と北村一樹の対峙と内省、で描き切られている。
ある一家の、終末への、そう本当の終末への物語。人生には果たしてエピローグなんてものはあるのか?美しくまとまったエピローグなんて。ただ日常を積み重ね、日常に打ちのめされるだけに過ぎないのではないだろうか?
母を亡くし、妻子を失い、職もなく、老いた父親の年金で父と暮らす一人息子。しかし、父は病に冒され、余命いくばくもないのであった。そんな父がとった行動とは、妻の命日の翌日から、固く閉ざした部屋の中に籠り、飲み食いを一切せず、そして…。
この小さな家族が、今日本が抱える様々な問題を包括している。小さな事から大きな事まで。例えば雇用の劣悪化(特に若年層)、例えば介護問題、例えば社会人鬱、…酒しか楽しみがなく夫婦の会話も少ない老人、なかなか子供ができなかった夫婦、誕生した子供は妻の実家に入り浸りで息子実家に滅多に寄り付かない、とかいう小さな家族問題までもが、わずかなシーンに散りばめられている。正に、日本の旬の問題が表現されているのだ。そう、東日本大震災での喪失感も。
現実の救い難い思いを、これでもか、と表す演出。役者の渾身の演技。
特に、部屋に籠った仲代達矢が、息子の日常生活を音だけで伺い知り、音をきっかけに回想を重ねる所が、ドラマツルギーの昇華となる。
(幼い時体が弱かった私は布団の中で過ごす事が本当に多かったが、生活音で全てを判断するあの感じ…。過去に引き戻されました。)
淡々と、しかし、底知れぬ力強さで、日本の今を問う作品。家族の来し方行く末を問う作品。ずっしりと、今も私に問いかけているようだ。
(2013年邦画)
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