
クリスティアン・ペッォルト監督の「幻影三部作」の第一部にあたるこの作品。淡々とした流れの中にも独特な緊張感、ヨーロッパ映画らしい雰囲気があり、私の好きなテイストです。
自転車。風のある風景。当局の管理下に置かれたある種の囚われ人特有の殺風景な部屋。目的に向けての秘めたる強い意志…。
少し前まで「ベルリン派の作家達」という特集で、三部作の残り二部も上映されていたのですが、開催期間が二週間と短く(二週間で10作品)、平日の昼間の作品なんか行けやしないよね。っていう事で残念!
が、この「ベルリン派の作家達」の告知を見て、今年初めに観たこの作品を思い出しました。
いつか三部作の残り二作品も観たいとは思いつつ。これはこれで完成した作品だと思います。
少しネタバレ。
ベルリンの壁崩壊まであと9年に迫った1980年、東ベルリンの郊外の小さな村に、美しく寡黙な女バルバラが医師として赴任してくる。この赴任は彼女の望んだものではなく、何らかの政治的な理由によって当局の管理下に置かれるため、強制的に東ベルリンからこの地に来させられたのだ。
ともすれば、陰気と言える位大人しく、周りの誰とも関わろうとしないバルバラ。それは、自分が管理下に置かれているのを知られたくないのと同時に、ある目的を持っている事を悟られないようにする為である。
…つまり、自由な場所への亡命。息が詰まり、時には精神的にも圧迫されるような日常ではなく。過去を脱ぎ捨てられる場所。その為バルバラは別に「外貨」を稼ぎ、それを来たるべき日の為に村はずれの木の下に隠しているのだ。
やがて、時は来た。準備は整った。しかし、出発の晩、思いがけない事が起こり、そして…。
寡黙で謎めいたバルバラは、時として嫌な女にも見えるのだけれど、心の中の痛みや逡巡、時には激しい自己の考えのほとばしりを見ると、この時代にこの生き方をせざるを得ない運命の彼女が切ない。
あと9年経てば、壁が崩壊する事など知る由もない、バルバラ。彼女だけでなく、当時はみんなそうだったのだろう。どんなに強い意志を持っていたとしても、見果てぬ夢というものは、合わせ鏡の映し出す風景のように、どこまでも永遠の彼方にあるのかもしれない。
(2013年洋画)
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