
漫画的、劇画的である。当然、漫画原作の映画化なのだから、そうなって然り。でも、いい意味で漫画的、ほめたつもりで劇画的、なのである。バブリーな金持ちはあくまで鼻持ちならず、線が細い成り上がりの若造は結局は誰からも相手にされない成り上がりに過ぎず、金持ちのぼんぼんは遊び人で性格サイアク、底辺の女達に絶世の美女は皆無。
そんな中、闇金の社長丑嶋は強い強い。表情ひとつ変えずに強いもんなぁ~。山田孝之は、この役を演じるのに、汗をかかないように心掛けたらしい。汗ひとつかかずに、眉ひとつ動かさずに、冷酷無比なことをやってのける御仁。テレビドラマの方はどうだったか知らないけれど、確かに山田孝之は、スクリーン映えする男ではある。なので、ちょっと太ったかな?とは思いつつも、ウシジマ的、漫画的凄みをもって頑張って演じていたと思う。

ストーリーは、まあ、なんということはなく、男も女も分不相応に成り上がって行くためには、結局は“金”が必要な訳で、その“金”を稼ぐ方法は一体…?という…。そして、稼ぎ切れなかった時、どうするか…。じゃーん、ウシジマ登場!という。快楽を諦め切れなかったら、“金”を手に入れるしかない、のだ。
ジュン(林遣都)はイケメンぼんぼん大学生の5人組と共に、学生パーティーを主催する、イベント系サークルの代表。携帯電話3台に3千人のデータが入っている、この人脈こそがウリ。なんとしてでも成り上がってやろう、という、その根性だけで東京の街を渡り歩いている。
ジュンの周りに群がってくるのは、似たり寄ったりの有象無象達。その中に一人、他の女の子とは少し違う少女未来(大島優子)がいた。パチンコ狂いの育児放棄の母親に育てられていた未来は、親なのにウリを勧める母親の元を逃れ、「ウリだけは絶対にしない!」という決意を持ちつつ、出会いカフェでの援交で、楽にお金を稼ぐことを知ってしまう。
パーティーの資金繰りがどうしても上手くいかなかったジュンは、闇金で金を借りてしまうが、その返済に対しては高を括っており、あまつさえ、返済できないことを逆手にとって、闇金の社長ウシジマ(山田孝之)を嵌めようとする。
しかし、百戦錬磨の闇金ウシジマに、ジュンが互角に渡り合えるはずもなく…。ジュンは窮地に陥る。そこに、ジュンの地元埼玉のチンピラ「豚塚」やジュンを逆恨みした「肉マムシ」などが入り乱れ、人生最高でかつスタートラインになるべきだったパーティーの会場は、幸せの絶頂から不幸のどん底に落とされるジェットコースターの様相を呈したのだった。

山田孝之のことは、好きで好きで大好きなので、ここでは割愛するとして(笑)、林遣都が存外良かった!いや、ホント良かった。「風が強く吹いている」などで彼を知ったのだけれど、あの頃の優しげな雰囲気が、ただのチャラくて優柔不断な背伸び男にぴたっ!とスイッチ。この役は林遣都しかできないでしょう?という位。
それから、大島優子…。びっくりする程、底辺の女が似合っていた。しかも凡庸な。どこにでもいる。もともと、AKB48のコンセプトが、どこにでもいる手が届きそうな女の子の集団、ということなのだから、それで当然なのだけれど、しかし、それにしても、あのチープさは一体何なのだろう?!メイクや衣装やステージが無ければ、全くオーラがない、ということがよーく判りました。
(2012年邦画)
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