
原題は「SAFE HOUSE」。個人的にはこの原題の方がずっとずっと良かったと思う。つまり、CIAが秘密裏に行う行動の裏には、必ず、証人や、極悪人や、社会的異常者や隠遁者を隠す必要のある事件が発生しているのが常であり、そういう事件の登場人物を隠すために特別な「HOUSE」が、絶対に秘密が漏れず、安全性を保障される「SAFE HOUSE」が、必要なのである。そして、この物語は、そこで働く一人の若者が、隠遁者として連れて来られた稀代の天才的犯罪者と交わることにより、生死と背中合わせで生きる非情の日々を駆け抜けていく話なのである。決して、単に危険に走りまくる、バンバンガーガーワーワーのアクション物語ではない。
裏切りと信念とアクションが混ぜこぜになって怒涛のように押し寄せる、アメリカCIA版ノワールなのである。

CIAを裏切り36カ国で指名手配を受け、10年間逃亡を続けていた元工作員トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)が、南アフリカにあるCIAの収容施設に収監される。その施設の“管理人”…CIAとは思えない退屈で平凡な職業…をしていた、若きエージェント、マット・ウェストン(ライアン・レイノルズ)は、初めての血湧き肉踊る展開に、鋼のように心臓が脈打つのであった。
しかし、トビン・フロストの尋問をしている最中、謎の武装集団が「SAFE HOUSE」を襲い、マットはトビンを別の「SAFE HOUSE」に逃すべく、トビンと共に脱出を図り、逃亡の旅に出るのである。

息を飲む壮絶な展開。誰が味方で誰が敵なのか?誰が善で誰が悪なのか?
いや、すっごく面白い作品でした。ライアン・レイノルズはこれが代表作のひとつになるのではない?
日々の生活に退屈し、己の能力はこんなものじゃない、もっとデカイことをやりたい、と、野心に燃えるマットは“本物”を知らない単なる若造であり、その若造が、色々な面でトビン・フロストに鍛え上げられる所が面白い。そして、マットを演じるライアン・レイノルズは、若造が鍛えられて大人の顔になっていく所を見事に演じている。
勿論デンゼル・ワシントンも磐石の演技。彼が滅多にない悪役を演じる、と聞いて興味津々ではあったが、そこはやはりオチはちゃんとあって。ただ、トビン・フロストがラストで流す一粒の涙は強烈で壮絶で、さすがだぁー、と脱帽してしまったのであった。
(2012年洋画)
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