
ヤマザキマリの「テルマエ・ロマエ」は以前から読みたかった作品でした。特に、息子の通う中学校の図書室に置いてあることを知って、息子がとても羨ましかった。だからといって私が中学校の図書室に行って読破する訳にも行かず(中学校の図書室は何故か貸し出し禁止)、Ⅰ~Ⅲ巻までの大人買いを一気にしたものです(Ⅳ巻は後日発売・購入)。
漫画には母子三人夢中になりました。私も暗記できる位の頻度で読んじゃいました。同時期には久保ミツロウの「アゲイン」にもはまったな。新刊が出るのが待ち遠しいのは「MAJOR」「聖おにいさん」以来でしたな。

ということなので、この「テルマエ・ロマエ」は母子三人の漫画原作に対するお礼、みたいな感じで観に行きました。父親である夫はどちらかというとオマケ。で、かなりの部分で原作に忠実で、キャスティングも充実していて、まあ、そこそこ、と言う感じ。
今思うと、この作品は4月28日からロードショー公開されていた訳で、そりゃあもう、長きに渡るプロモーションと宣伝活動で、観たことがない人もどんな作品だか判る位に色づいていたんだね。だから、私達母子にしてみれば予定調和だったし、漫画のことを知らない夫にしてみれば、「期待した程ではない…」という感想に落ち着くのかも。
最初から、飛び切り面白い、というはずはない、だって、漫画に失礼だから。程度の気持ちで鑑賞した私達の勝ちかな。って、別に勝ち負けじゃないけど。ただ、阿部寛を始めとした、市村正親らの熱演と役柄へのはまり具合、のっけから強引に画面の右上に「バイリンガル」表示をする所から始まる小技、などなど、邦画にしては粋で楽しい作りだったと思います。
(2012年邦画)