
少し前に観た作品ですが、思い出すのは、ライアン・フィリップのことばかり。そう、役柄にぴったりな、小生意気な、横柄な、虎の威を借る狐、的な。あの表情、あの立ち居振る舞い。やっとライアン・フィリップが帰ってきた気がして(…帰ってきた、とは、超駄作「セットアップ」からのご帰還(笑))、彼ばかりが胸に響く。
いや、勿論、マシュー・マコノヒーの、リンカーンの後部座席を事務所に据えて、ロサンゼルス中を駆け巡る、清濁併せ呑む現実的な弁護士も、とーっても良かったです。マシュー・マコノヒー、年取ったな…とは思ったけどね、実際は。まあ、元々アクション・ガチ俳優や、タフなマッチョ俳優とは一線を画していた感じだけれども。かといって、本格的なインテリ、と呼ぶにはチャラ過ぎて。こういう、ちょっとスノッブな、かといってワルにもなりきれない少しだけ気のいい役柄が似合う年になったということでしょう。

原作は、マイクル・コナリー。私は15年程前、狂ったようにハードボイルド小説を読み漁っていた時期があり、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュシリーズなんかは、常にハンドバッグの中に入っている状態だった。彼の小説が映画化されてかなり神経の中枢に届いたのは、「わが心臓の痛み」。クリント・イーストウッドで映画化された、あれ。
…ところでいつも思うのですが、マイクル・コナリーの小説の邦題は滅茶苦茶カッコイイ!!
で、あまりカッコヨクない邦題の「リンカーン弁護士」ですが(またまた話が逸れますが、このシリーズ、冊数を追う毎に、ハリー・ボッシュも登場してくるんだって?!結局小説も読まなきゃ、だし)、とても丁寧な作りで面白かった、と思います。

多少の傷になら目を瞑り、依頼人と自分の利益を守るために弁護士活動をスノッブに続けるミック・ハラー(マシュー・マコノヒー)。ある日、彼は、多額の報酬が動くという甘言に釣られて、資産家の御曹司ルイス・ルーレ(ライアン・フィリップ)のレイプ・暴行疑惑を晴らす弁護を引き受ける。ルイスは自分が絶対に無実だと主張する。彼を弁護するべく、ミックは調査を開始するが、その内、ミックが過去に手がけていた事件と、今回の事件とに類似性が見つかり、ミックはルイスの主張に疑念を抱く。そんな中、長年の相棒であった私立探偵が何者かに殺害されるに至って、疑惑は大きく膨らみ…疑心暗鬼と駆け引きの渦の中、やがてミックとルイスは判決の日の法廷に共に立つこととなる。
じつくりと楽しめる作品。はらはらどきどきも勿論満載だけど、それも含めてじっくり、という感じ。ただ、クライマックスで観客が溜飲を下げて以降の展開が、ちょっと緩慢だったかも。ストーリーにとっては重要な部分だから仕方がないのかもしれないけれど。
(2012年洋画)
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