
NAVY SEALS。米海軍特殊部隊。「SEALS」のSEは海(SEA)、Aは空(AIR)、Lは陸(LAND)を意味し、海豹と表されるアザラシ(SEAL)と掛けられている。最新鋭の機器を駆使し、選び抜かれた精鋭たちが競って任務に就く。凄まじいばかりの肉体と頭脳とハイテクマシーン。勿論、観終わってから何か心に響くか、と言えば、そんなものは何も無いのだけれど、…いやぁ、これほどのもの、見せたいんだろうな、人んちで戦争したくなっちゃう訳だよ、と思いましたです。

ほんの少しネタバレ。
CIAの女性工作員が誘拐された。部隊は救出作戦を敢行するため、コスタリカに飛ぶ。救出劇は、陸・海・空の見事なコラボレーションによる、敵の攻撃をものともしない、緊迫した中にも華麗なる成功を収めるものだった。だって当然でしょ?NAVY SEALSは、海軍の中でもわずか0.5%の精鋭達なのだもの。
救出した女性工作員が持っていた携帯電話に、国家の危機に関わる恐ろしい情報が入っていた。麻薬王クリストと、アメリカ国内でのジハード(聖戦)を目指すイスラムのテロリストが手を組んで、金属探知機をも楽々通過する、爆弾を身に付けた自爆要員をアメリカ本土に送り込もうとしていたのだ。大都市でのテロを防ごうとする、NAVY SEALSの活動が本格化する…。

トム・クランシ―が企画協力したと聞いて期待しましたが、フラグ立ちまくりの主人公、アメリカは全き善で、今の21世紀では悪者はみんなイスラム、というのは、あまりにもステレオタイプな構成(勿論、NAVY SEALSそのものが、オサマ・ビンラディン暗殺を遂行したことで有名になったのだから仕方ないと言えば仕方ないが)。だが、兵器や軍備や戦術を観るためだけであれば、引き込まれる作品。特に、何が起こるか判らない最前線で、あんなに緻密にあんなに大胆に作戦を繰り広げるなんて、まったく天晴れ。日々の(別に命には関わらない)仕事で、何回もミスがないかどうかチェックをしたり、取引先の対応や成果物の評価にどきどきしたりする私からしてみれば、正に舌を巻く凄さなのです。
(2012年洋画)