
2010年、第23回東京国際映画祭で、最優秀監督賞・観客賞のW受賞。当時スケジュールが合わずに鑑賞できず、悔しい思いをしていましたが、その後2011年年末に日本公開されるも、やはりスケジュールが合わず、なかなか観に行けなかった作品です。やっと2012年3月に観に行けました。
観に行けてよかったです。すごくよかった。単なるユダヤ人迫害、収容所の悲惨話しではなく、現代の女性の悩める現実とシンクロさせて(そりゃ当時の状況と比べれば悩みなんて微々たるものかもしれないけれど、時代・時代を生きる者にとってはどんな悩みも深刻で切実で)、家族の在り方を問うフランスらしい作品だと思いました。
話しは逸れるけど、この年の東京国際映画祭のコンペティションは優秀で、「わたしを離さないで」「瞳の奥の秘密」などもこの年のコンペティション参加作品。私のイチ押しは「ひと粒の麦」。だのにサクラグランプリは「僕の心の中の文法」って、どーにもつまらない作品が選ばれちゃって、全く審査員の目は節穴か!?と思っちゃう訳ですよ。毎度の事ながら。
ネタバレです。

ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は現代のパリに生きる45歳の女性。仕事を持ち、幸せな家庭生活を送っている。ある日、1942年に起こったユダヤ人一斉検挙、いわゆるヴェルディヴ事件を調べていく内に、検挙されたサラという一人の少女が、自分の夫の祖父母が所有していて、改装してそこに住む事になっているアパートに、関わっている事を知る。
当時10才のサラは、一斉検挙のその朝、すぐに戻ってくるから決して出てはいけないと言い聞かせ、幼い弟を納戸に閉じ込めて鍵をかける。そのままサラと両親は、ヴェルディヴへ連れ去られ、更に両親とも引き離されて強制収容所に連れて行かれる。
弟の身を案じたサラは、命がけで収容所を逃げ出し、アパートに帰り着く。しかし、悲惨な結果がサラを待ち受けていた…。

調べを進める内に、ジュリアは、夫の祖父母のアパートこそが悲劇の舞台だった事に気付く。その後のサラの半生を辿って行くと、サラの晩年も判明する。見過ごす事ができなくなったジュリアは、夫にアパートのいわれを打ち明け、サラの忘れ形見の息子にもサラの生い立ちを話す決意をする。
しかし、アパートに住む事を反対するジュリアに夫はいい顔をしない。又、ジュリアが妊娠した事に対しても産む事を反対する。ジュリアは、夫との関係が修復できないものになってしまった事に気付く。
その上、サラの息子はサラの生い立ちを話しても、余計な詮索をするな、とばかりにジュリアに激昂し、ジュリアは自分の選択全てに思い悩む事になるが…。
「60年前の少女の慟哭が、私を突き動かす。」突き動かされた結果、ジュリアはどのように自分の人生を選び取っていくのか?ここで、時代は違えど、自分の足で立って人生を突き進む、女性の真実の姿が描かれる。様々な苦しい決意をせざるを得ない人生を。
全くの余談ですが、「ミッション・インポッシブル」でのクリスティン・スコット・トーマスの役名って「サラ」だったんですよね。
(2012年洋画)
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