
稀代の名女優、20世紀のセックス・シンボル、マリリン・モンローの最盛期の頃のラブロマンスを描いた作品である。映画「王と踊り子」の撮影のためにハリウッドを旅立ち、ロンドンを訪れたマリリン・モンローの撮影時のエピソードを、当時のスタッフであったコリン・クラークの回想録を元に描いている。
マリリン・モンローという人は不思議な人で、その外見的な女性としての魅力は勿論のこと、人生に対する真摯な取り組みと、なかなかそれを周囲に理解してもらえない歯痒さとのギャップ、天使のように愛くるしく、悪魔のように妖艶である二面性の魅力、に、当時の市井のファンだけでなく、著名人も彼女に夢中になっていた。

イギリスの名優かつ映画監督のローレンス・オリビエ(ケネス・ブラナー)もその一人で、マリリンの魅力に強く惹かれながらも、自身の演出通りには演技してくれないマリリンにイラつくこともしばしば。主演男優として主演女優のマリリンに水をあけられる焦りもあるのか?ことごとくマリリンを否定するような演出態度に出る。一方マリリンも、どうしてその役を演じるのかを完全に理解していないと役柄に入り込めないリアル主義者なこともあり、稽古には遅刻、演出には反抗、と、撮影現場はぎくしゃくとした雰囲気に包まれる。
思うに、彼女は誤解されやすい女性なのだ。リアルタイムで彼女を記憶していない私なんかにしてみても、ハリウッド・アイコンとして天上に瞬くマリリン・モンローは、もうその存在自体が巨大なアイコン過ぎて、滑稽ささえも感じてしまうし、所詮セクシー女優でしょ、と、幼心に思ってしまう程、ステレオなイメージが出来上がっている。
だが、女優としての道を突き進むマリリン、巨大なアイコンとしてのみ崇められるのではなく、一人の女として真の愛情に飢えているマリリン。ある意味欲望の塊で、欲望に忠実な女優。そこが、周りからは奔放な女と思われ、苦悩は更にいや増すのであるが、そんなマリリン・モンローを悪意ある呪縛から解き放つ作品が、この「マリリン 7日間の恋」なのだと思う。

彼女に翻弄されながらも彼女の無垢な姿を見ようとするコリン・クラーク(エディ・レッドメイン)の目を通して、マリリン・モンローが一人の真剣に生きる女性として描かれている。演じるのはミシェル・ウィリアムズ。「ブロークバック・マウンテン」のもっさりとした田舎の女の子が、よくぞここまで、稀代の美女に化けました!とーっても綺麗だったし、とーっても可愛かった!そして、とってもマジでした。
(2012年洋画)
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