
ひりひりとした気持ちになる。観終わって、爽快感とか、達成感とかとは無縁なのだけれど、「そうは言っても生きて行かねば」などと思いつつ、席を立つ作品。シャーリーズ・セロン程の美人がこの役を…という気持ちも出てくるが、シャーリーズ・セロン程の美人でなければ成立しなかった。そして、都市近郊に生まれ育って、今はメガロポリスで生きている私には、この作品の背景にあるものが判り過ぎる程判る。

ストーリー言いつつ、ネタバレしつつ、の感想。
ミネアポリスでヤングアダルト小説のゴーストライターをしながら一人で生きる女メイビス(シャーリーズ・セロン)。明け方まで飲み明かし、気づくと洋服のまま寝ているか、洋服を脱いでいるときにはベッドの隣に見知らぬ男がいるか、のどちらか。アルコールと小型犬だけが心の救い。肩で風切る都会暮らしを支えるライターの仕事も、連載の打ち切りが決定したりして、心穏やかではいられない。
そんな時、高校時代の元彼バディ(パトリック・ウィルソン)から、赤ちゃん誕生祝いの招待メールが届く。…何故今頃私に?と思いつつ、メイビスは、故郷に帰ることを決意。その昔バディからもらった思い出のカセットテープをガンガン奏でながら愛車ミニクーパーをブッ飛ばす。
メイビスは、美人でイケてて、誰もが憧れる女だった。そう、学生時代、あの魚の腐った臭いのする田舎町では。今でもメイビスは伝説の女。都会で自立して成功している、という噂の女。そんなアタクシが田舎町に乗り込んで、育児でへとへとなバディにコナをかければ、バディのこと、一発で落ちるに決まっている。そう、アタクシの運命の人はバディだったの。回り道はしちゃったけれど、本当の愛にお互いに気付くはず。完璧なメイクに完璧なファッション、都会で生きているアタクシは、そんじょそこらの女とは違うの。
と、ある種意気揚々と乗り込んだ故郷ではあったが、実はそれはメイビスのおおいなる勘違いで…。

自堕落で酒浸りな孤独な女。にも拘わらず、自分ではイケてると思うメイビスが痛い、と、これを観た人は思うのでしょう。でも私は違うな。ある部分でメイビスに共感できる。女一人生きて行くのはそういうことだから。別に幸せな家庭を築いて子供を産んだ女が勝ち組じゃないよ。そう思っている女との方が100倍友達にはなりたくない。この作品でだって、本当は、メイビスのことを“孤独で哀れだ”と思ったから、自分が産んだ赤ちゃんの誕生パーティーに呼んだ、ベス(エリザベス・リーサー)=バディの妻、の方が圧倒的に性格が悪いじゃない?そう、本当に完膚なきまでに性格悪し。男子には判らないかな…?
ラスト、やはり自分の足で立ってもう一度ミネアポリスに帰って行くメイビスは、痛いけどカッコイイ。私は好きだし、私はメイビスが側にいたら一緒に飲んでみたい(たまーに、だけど)。バディみたいな平凡男は、意地悪女にくれてやれ!
(2012年洋画)
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