
とてもイギリス的な、少しシニカルな部分もあり、含み笑いもあり、ハードボイルドのテイストもふんだん、だがしかし、全体的に小粒な感じの作品だったことは否めない。
まず、コリン・ファレルが小粒。目に眼力がない。こーんなフツーの感じの役者だったっけ?いや、違うでしょう。私の知っている、私の好きなコリン・ファレルは、もっと内側に狂気を孕んでいたものだ。

少しネタバレです。
ミッチェル(コリン・ファレル)は出所して、まともな生活を送ろうと決意しているが、昔の友人に出所祝いをしてもらったり、住居をあてがわれたり、そしてその代償として取り立ての仕事を手伝わされたりと、なかなかきれいさっぱり足を洗うことは容易ではない。彼は何とか普通の手段で稼ごうと、ひょんなことから大スターのシャーロット(キーラ・ナイトレイ)のパパラッチ対策用ボディーガードに採用される。シャーロットは夫とも別居し、パパラッチに監視され安息の日がない、過去を持った女優である。ボディーガードの生活と闇の仕事の生活と、混在しながら日々を送っていたミッチェルだが、ホームレスとなった知人が少年に殺害されたことが発端となり、ヤクザな人生の落とし前をつけることになるのである。ロンドンの街を、ブルーバードを転がしながら…。

監督は「ディパーデット」の脚本を書いたミッシェル・モナハン。あーっ!と心で叫んでしまうラストがお好きなようで。シャーロットの付き人風の役のデヴィッド・シューリスが凄く良かった。破滅と終末に向かう、正統派ハードボイルドテイスト、なのだろうけれど、うーん、やっぱり、小粒、だったんだよ!コリン・ファレルファンとしても残念!
(2012年洋画)