下関に生まれ育ったグ・スーヨン(松田翔太)は高校を中退し、暴力や差別やクスリの蔓延った日常を無作為に生きていた。仲間内では、暴力は勿論、強盗、レイプ、ヤク中は当たり前、そんな中、地元のワル連中とトラブルになり、グ・スーヨンはガラを追われる羽目に。九州のヤクザ高木(中村獅子童)に乞われ、九州で彼の店を手伝うことを理由に一旦は逃れたグ。しかし、地元に戻ってきた彼には、復讐と面子のための闘いが待っていたのだ。
松田翔太は熱演だったし、暴力でしか生きる術のない環境に生きている男たちの呆れるほどハードな日常を描いている点では評価できる作品だと思います。でも、なぜか消化不良な感じが拭えなかった。…それは、たぶん、彼らの暴力には大義がないから。綺麗事を言うつもりはないけれど、大義のない暴力はみっともない。
(2011年邦画)