好きな作風。音楽と高揚感がぴったりと合い、どんどん高みに昇り詰めていく、あの感じ。ホント、音楽の使い方が効果的だった。導入部の雪景色の中での狩りの風景も素敵。
…へーえ、音楽はケミカル・ブラザーズだったんだ。しかも、映画音楽処女作品。
エリック・バナが無駄にかっこ良く、ケイト・ブランシェットがあまりにはまり役なので観ていて怖いほど。何故ヒロインが狙われるのか、の設定もまあまあ。脇役がみんな個性的で適役で、そこもまた良かった。シアーシャ・ローナンは頑張ったよね。ナタリー・ポートマン程には美形でない所が、「レオンの再来」などと言われずに済んで良かった、良かった。電化を知らない少女が何故パソコンを操れるのか、など、粗い部分もあったけれど、元々の設定が粗いのだから致し方なしか。ヨーロッパやアラブの荒涼とした風景も素敵だった。
以下少しネタバレ。
ハンナは父エリックと、雪深いフィンランドの秘境で暮らす16歳の少女。若干16歳ながら、格闘技に精通し、武器の扱いもプロフェッショナル。サバイバル能力も学び取っていて、本能と学習とで、一流の殺人マシーンとなっていた。訓練を積んできたハンナは、ある日外の世界へ旅立とうとする。しかし一方でCIAのスペシャリストがハンナを付けねらい、モロッコ、ドイツ、と、追いつ追われつの戦い&追跡劇が展開される。その間、勿論深謀策略あり、友情を知らなかった少女に芽生えた、友情や家族愛の感情あり、と、ハンナをきちんと人間として描こうとしている。殺す度に言う「ごめんね」とか。そしてハンナの出生の秘密が明らかにされ…。
ホント、良かったです。私は好きな作品。このジョー・ライト監督の「プライドと偏見」も「つぐない」も大好きなんですが。
(2011年洋画)