
「樹形図」、っいう言葉を思い出しました。ツリー・オブ・ライフ。全編観終わった後ではそんな感じがします。こんこんと、脈々と繋がっていく、家族の関係、親子。人として生きて行く中での時代とのせめぎあい。ちょっと壮大な、それでいてきわめて個人的な、世界史と自分史との融合。

男は、父親は、仕事だけしていればいい時代。オブライエン(ブラッド・ピット)はそんな中でも家長としての務めと役割を果たそうとし、時としてその不器用さと高圧的な指導は、家族から陰では認められずに父親故の孤独を味わうこともあります。息子のジャック(ショーン・ペン)はそんな父親をみて育ち、反発と、苛立ちと、そして結局は自分もその血を引いているのだというもどかしさと、との中で悩み、生きて行きます。
あー、テレンス・マリックの作品ってこんなだったな…と。水の使い方とか。「シン・レッド・ライン」を観た時にに感じた時ほどの辟易感はなく、今回は割りとすっと入って行けた。ちょっと老練な感じになったというべきか。監督が?それとも私が?父と息子の感情の割り切れなさ、不器用な時代の不器用な男の生き方、が、センシティブに描けていたと思う。
とはいえ、辟易感はない代わりに「一体どこを目指しているの?どこへ行っちゃうのぉぉぉ?」といった感じは相変わらず強く、感受性を問われるような気がしました…。
(2011年洋画)