
ゆっくりと、けだるく、ニコラス・ケイジのようにつぶやいてみましょう。ド ラ イ ブ、アングリー。

まあ、ドライブでアングリーな訳です。もう、そうとしか言いようがない。真夏の夜に、ぶらっと行ってスカッとして帰ってくるにはもってこいの作品。3Dの使い方も効果的で、ゆっくりと流す車のフロントガラスごしに月を見つつ回想に浸るシーンなどは、3Dの使い方としては秀逸だと思いました。乱暴でピッチな女、不死身のニコラス・ケイジ(あ、不死身なのには勿論理由があります)。暴力とスピードに溢れながらもこの気楽さって、ない。私は結局、こんな風に楽しそうにやるニコラス・ケイジが好きなんだろうなぁ…。

以下ネタバレです。
ジョン・ミルトン(ニコラス・ケイジ)は、カルト教団によって、愛する家族を奪われていた。恨みを晴らすべく、日々車を転がしながら町を徘徊するジョン。
一方はすっぱでピッチなウェイトレス、パイパー(アンバー・ハード)は店長と喧嘩をして職場を辞めるも、帰ってきた自宅では、恋人が浮気相手とよろしくやっている。自分の稼いだお金まで使い込んで。文句を言うとこてんぱんに暴力を振るわれるパイパー。そこへジョンが現れてパイパーを救い、二人のドライブウェイは始まるのである。
カルト教団のアジトに乗り込むことに成功した二人。しかし、そこで彼らは強烈な逆襲を受け、ジョンは死亡。パイパーは教団に連れ去られることになる。しかし、死んだはずのジョンはなぜか復活。パイパーを救うべく、そして家族の仇を晴らすべく、実はあの世から舞い降りてきた男であったジョンは、教団の宴の中、アングリーな奪回劇を展開するのである。
そう、ジョンが不死身なのは、この世の人ではないから。そして、ジョンを追跡していたFBIとおぼしき男(ウィリアム・フィクトナー)も、実はあの世からのお迎え隊の一人。だから馬鹿馬鹿しいオチっちゃオチなんだけど、そこに真面目を追及しても意味ないのだから、これでいいのだ。
(2011年洋画)