昨日、「ヒーロー・ネバー・ダイ」を鑑賞したてのほやほやの興奮冷めやらぬままに書き殴った記事に、「ジョニー・トーにしか作れない名シーンのオンパレード!」とか書いておきながら、印象に残ったシーンなどを何一つ書いていなかったという、鬼の失態を演じた為、ちょっと備忘録的に書いてみます。やっぱり人間エキサイトし過ぎるとダメですね。
必ずしも全てが順番通りじゃありませんが…。
まあ、冒頭から効果的につかわれるBGM「スキヤキ」は言うに及ばず、
タイの寺院で占い師とボスの前で見得を切るジャック(レオン・ライ)。カクイイ。
占い師一族と一触即発にならんとするところ、椰子の木をバックにした立ち位置の横並びポジションで掃射。素敵だ。
その後の椰子の木への横一列に並んだ立ちション。そのメンバーにラム・シューが入っている事は見逃せない。
更に更にその後占い師の元を訪れたチャウ(ラウ・チンワン)達一味も同じ場所で同じように並んで立ちションするあたり…。素敵だ。
そもそもジャックとチャウの画面での出会いは、ジャック達とそのボスがタイの占い師の元から帰国しようと港に車を走らせている夜、チャウ達一味に待ち伏せされ、銃撃戦が繰り広げられた所から始まる。この場はジャック達が勝利するのだが、戦いが終わったとおもいきや、ジャックのこめかみに暗視スコープの赤い照準が。チャウがジャックを狙ったものなのだが、ジャックはまるで気にする風でもなく煙草をふかす。チキショー、カッコいい。そしてチャウはこの場は何もせずに去って行く。こちらもカッコいい!
もちろんこの2人が相対するカッコいいシーンは、あの映画史に残る酒場でのシーン。いや、映画史には残んないかもしれないけど、なんなら私だけでも自分史に残すからいいや。
それぞれが車を駆使して訪れる酒場。その前にちょっとした因縁があるので、2人は正面衝突バージョンのチキンレース。ぼこぼこになった車を置いて何事もなかったかのように降り立つ酒場では、ジョニー・トーの遊び心いっぱいのワイングラス対決。マーベラス!そしてそれぞれの女に持って来させた「最高のワイン」。結局2本の内1本は、その酒場にボトルキープされる。「ジャック&チャウ」と名札を提げて…。
もう、全部がいいシーンなので、このまま書き続けると単にストーリーを追い続ける事になりかねないので、ここからは更にピンポイントで。
タイのペンションで繰り広げられる決戦(でもまだ中盤)。(敵が隠れている)天井に向かってジャックが闇雲に(と見える)撃つガンファイト。見事だ。
瀕死のジャックが又狙われる!死体安置所にジャックを隠す、女の捨て身の愛。泣ける。
ゴミ集積地に復讐の為の銃を探しに行くチャウ。切ない。だが、その場での瓶を相手の射撃練習は、痺れる。
屋上で銃を構えるチャウが、標的が現れたにも関わらず微動だにしない。その彼の顔にハエが数匹とまっているという描写だけで、チャウの死を表現するジョニー・トー。凄過ぎ。
そして今や真の友となったジャックがチャウを車椅子に乗せて、奴らのアジトに乗り込む…!!
そしてそして、ガラスの雨も眩しい伝説の銃撃戦へ!!!
いいなあー、いいなあー、凄いなあー!棒読みじゃなくて本当に凄いなあ!
やっぱりジョニー・トーは最高だ!!
(2014年アジア映画)